第10話

きゅう
2,074
2023/08/11 13:07
深澤side
今日、急遽俺の家に泊まることになったあなた


勿論着替えも何も持って来てないから、偶々家にあった小さいシャツと半ズボンを置いておく


『あなた、着替えここに置いとくね』


雪崎「ありがと!!」


メンバーの裸を態々見るほど俺は悪趣味じゃないから、直ぐに脱衣所を出ていこうとすると


開きっぱで床に落ちてるあなたのスマホが目に入った


なるべく画面を見ずに、上へ置こうとしたのだが


某チャットアプリのトークが目に入ってしまった
あなた
好きっ!!
うん、俺も
あなた
え、照くんも?
まぁ、好きより
愛してるの方が正しいのかな
あなた
そんなに?笑
おい、笑ってんなよ
あなた
ごめん笑

『なにこれ…』


どういうこと?


分かんない分かんない…


あなたは照の事が好きなの?


いや、照があなたの事が好きなのは知ってたけど


あなたが照の事好きなのは新事実


え、じゃあ両思いってこと?


そんで、こうやって毎日好きって言い合ってるってこと?


そんな彼氏持ちのあなたは、彼氏が居るのに俺の家に泊まりに来てる…?


なにそれ、俺の事弄んでるわけ?








.


雪崎「ふっかさんあがったよ〜…って、何その怖い顔 笑」


『ここ座って』


ケラケラ笑ってるあなたを俺の隣に座らせる


俺がずっと黙ってるのを見て、マジで怒ってるのが伝わったのか、少し顔を強張らせるあなた


『あなたさ、照の事好きなの?』


雪崎「っ…」


何だよその分かりやすい反応


隠す努力くらいしろよ


あーもう…なんか腹立つ


雪崎「……俺が好きって言ったら」


雪崎「ふっかさんはどうする…?」


眉毛を下げて、少しだけ不安そうな顔で聞いてくるあなた


その顔ズルいでしょ


なんでも許しちゃうじゃん


『どうもしない』


『けど、ちょっと妬く…かも』


雪崎「っ、ほんと…?」


『…まぁ、少しだけね』


雪崎「んはっ、ふっかさん大好きー!!」


『あなた、嘘でもそんな事言わないほうがいいよ?』


『俺期待しちゃうじゃん』


雪崎「……何のこと?」


『いや、だから照と付き合ってんでしょ?』


『だったら、彼氏以外にこんな事しないほうがいいよ』


雪崎「いや、俺照くんと付き合ってないよ?」


『……は?』


『え、どういうこと?』


『照と付き合ってんじゃないの?』


雪崎「違うよ!」


雪崎「え、待って、どーしてそんな事になったの?笑」


『いや、トーク画面見えちゃったのよ…』


雪崎「トーク画面…?」


雪崎「あー、これね笑」


雪崎「これタピオカの事だよ!!笑」


『……っざけんなマジで、』


雪崎「あははっ、ふっかさん可愛い笑」


最悪


勝手に考えすぎた挙げ句嫉妬とか


みっともないじゃん


あー…恥ずかし


雪崎「顔真っ赤だね…笑」


『こっち見るな…』


雪崎「かわい…笑」


『も〜、最悪…、』


雪崎「ぎゅーする?」


『ん…きて』


雪崎「かわい!!」


勢いよく飛び込んで、俺の首筋に頭をグリグリ押し当てる可愛いあなたに


マジで彼氏いないんだよな


って、少し疑心暗鬼になってしまう


雪崎「んー…ふっさんの匂い好き…」


『そ…?笑』


あ、彼氏いないなコレ笑


『ふはっ、よかった』


雪崎「……なにが?」


『あなたが誰のものでもなくて』


雪崎「っ…」


『え〜、あなたも顔真っ赤じゃん!笑』


雪崎「い、今のはふっかさんが悪い…!」


『えー、俺なの?笑』


文句を言いながら、俺をポカポカ殴ってるあなた


そんな可愛いあなたに、俺の中で何かスイッチが入った


『あなたってさ、』


『…マジでかぁいいよね』


腰を引き寄せて、耳元で囁く


雪崎「っ…」


そうすれば目を大きく見開いて赤かった顔がさらに赤くなっていくあなた


雪崎「ふっかさん嫌い!!」


『え〜…嫌いになられると困る〜笑』


 


♡×45

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