おか、さん?…おとう、さん?…
ど、どうしたの…?返事してよ…
この時の私は目の前に広がる光景を理解することが出来なかった。
いや、理解したくなかったんだ…
周りのざわめく声。徐々に広がる赤い海。
目の前に倒れている_______大好きな父と母。
ハァ…ハァハァ…ッッ、
グラ…バタン
!?あなた!
その光景を見た私は気を失ってしまった。
目が覚めると、
白い天井、乱れることの無い電子音、
私に繋がれた点滴。
一瞬でここが病院だとわかった。
ガラガラ…
!
色咲さん?
分かりますか?
((・・*)コク
よかった。すぐに先生を呼んできますね。
はい。特に異常もないので明日には退院できると思います。
よかったぁ
先生ありがとうございます。
失礼しました。
目が覚めたあと、お医者さんに見てもらいどこにも異常がないと言われた。
それは嬉しいことだった。
けど、一緒に話を聞いてくれたのはお母さんでも、結兄でもなく。
お父さんの妹さん遥ちゃんだった。(色咲 遥)
19話END
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!