お見合いから早いもので2週間が経とうとしている。
あの日から、如月さんは毎日のようにメッセージを送ってくるようになった。
【おはようございます】
【おやすみなさい】
【何してますか?】
【秋華さんに会いたいです】
そんなレパートリーの少ない、だけど届く度に不思議と嬉しくなるようなメッセージ。
───ピコン♪♪
突然、震えたスマホに手を伸ばせば、如月さんからの新着メッセージが届いていた。
開けばそこには【よかったら明日、デートしませんか?】と、絵文字ひとつないシンプルな文字たちが並んでいた。
明日は土曜日。
学校は休み、これと言って用事もない。
行くなって止めてくれないかな?
……私のことが好きだって気持ちが目覚めたりしないかな??
なんて、ありえない期待を膨らませながら、気づけば私の足は蒼真の部屋に向かっていて。
───コンコンと、ノックの音が響いて直ぐに中から「どうぞ」と声がした。
ベッドの上で本を読んでいた蒼真は、パタンと本を閉じて立ち上がると私に向かって歩いてくる。
分かってる。
全部、私のワガママ。
執事を完璧にこなす蒼真に、どうにか幼なじみだった頃を思い出して欲しくて。
あわよくば、私のことを見て欲しくて。
必死にもがいて、足掻いて、勝手に傷ついて。
驚いたように固まってしまった蒼真を取り残して、私はそのまま蒼真の部屋を後にした。
〜翌日〜
心配そうに、だけど静かに頷いて私を見送る春香ちゃんに微笑んで玄関へと向かえば、
見慣れた後ろ姿にギュッと胸が軋む。
私を見て、一瞬揺れた蒼真の瞳。
ぎこちなく私を見送る蒼真に、昨日蒼真に言った言葉たちが蘇る。
……やっぱり、最後まで蒼真は私を引き止めてはくれないんだね。
きっと、蒼真とは結ばれない運命なのかな。
どこかで分かってはいたけど、胸が苦しくてしょうがないよ。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。