第7話

5枚目 🐧📄🌸𓈒𓂂𓏸
323
2025/01/26 10:23 更新



- HEUNINGKAI Side -




ヨンジュン
ヨンジュン
〜♪
ソジュン
なんだヨンジュナ、随分ご機嫌だな
ヨンジュン
ヨンジュン
そんなことないですよ〜ん♪

いや、誰がどう見たってご機嫌でしょ。



隣の席でヨンジュニヒョンの愉快な鼻歌を聴きながら、
僕はスマホのゲーム画面をいじる。



車に乗り込んでからというもの、
ヒョンはずっとこの調子だ。
ソジュン
カイ、ヨンジュナ何でこんな元気なの

マネージャーのソジュニヒョンは、右折する車の
ハンドルを切りながら僕に聞いてくる。



きっと理由は、さっき会ったあなたさんだ。



ヒョンは…、もちろん僕たちもだけど、自分たちのファンに
会えるのが本当に嬉しい。



僕たちのことを応援してくれるMOAの姿が
メンバー全員大好きだ。



そして、自分たちが演技をしている姿をこんな間近で
見てもらえるなんてステージ以外で初めてのことで、

ヒュニン
ヒュニン
多分ヒョン、今めっちゃ喜んでます

ヨンジュニヒョンは、相当嬉しかったんだと思う。



だけど…

ヒュニン
ヒュニン
でもヒョン、あーいう発言とか行動、
色々控えてくださいよ

僕がそう言ったのと同時、別の方に意識が向いていたせいか
僕の指が変なところに当たって、氷河から落ちて
ゲームオーバーになってしまうペンギンのキャラクター。



「はぁ…」と思わず浅いため息をついてしまう。

ヨンジュン
ヨンジュン
あーいう発言とかって?

ヒョンはそう聞き返してくる。



あぁほら。
やっぱりこのヒョンは自分が普段からどんな態度を
とっているか分かってない。

ヒュニン
ヒュニン
さっき、あなたさんに対してめっちゃ
言ってたじゃないですか
「かわいいかわいい」って
ヨンジュン
ヨンジュン
はぁっ!?い、言ってないけど!?

ヨンジュニヒョンの目が泳ぐ。



めっちゃ動揺してんじゃんね。



「かわいい」って言ったことには意識あるんだろうけど、
それを実際にしちゃうことが本当に無意識なんだろうなって
そう思う。

ヒュニン
ヒュニン
ヒョンのせいで、僕らと同年代の
女性社員が何人会社を辞めてったと
思ってるんですか

そう…。



ヒョンがただ、女の子たちに対してあんな事を言うだけなら
別になんとも思わないし、注意もしない。



なんなら、アイドルの僕にとってはヒョンみたいに
ほいほい女の子たちを落とせるのが羨ましいくらいだ。



でも、ヒョンのこんな性格のせいで僕らの会社の
女性社員の数がどんどん減っていってるのは紛れもない
事実で…

ヨンジュン
ヨンジュン
えぇっ、俺そんな辞めさせてたか?
ヒュニン
ヒュニン
辞めさせてますよ

困ったように頬をぽりぽりとかくヒョンのことを
睨みつけてしまう。



前に男性社員さんたちが話してたのを聞いたことがある。



ヨンジュニヒョンのことを、"女性社員キラー"って
言ってたんだから。



僕らと同年代の女性社員は皆、
ヒョンに落ちちゃう人がほんとに多いんだって。

ソジュン
確かにな
お前、この間の現場で初めて会った新人の
女性社員さんのことも落としてただろ
ソジュン
後から
「お前んとこのヨンジュンのせいで辞めた」って
連絡入ったんだから

と、面白そうに笑うソジュニヒョン。
ヒュニン
ヒュニン
あの、笑い事じゃないですからね
ソジュニヒョン

あの撮影の日も確かにヨンジュニヒョン、その新人の
女性社員さんのこと気にかけてたしな。



でも、それと同時に他の新人の
男性社員さんたちのことだって気にかけてた。



ヨンジュニヒョンは面倒見が良くて、優しくて、
頼りになるあたたかい人。



男女誰に対しても平等に接してくれて、
一度会った人のことは忘れない。



…ほんとに憎めない人、悪い男だ。
ヒョンは。



だから、それ故に甘えちゃう人たちだっているし、
こーやってヒョンのこと好きになってく人だっているし。



大体、もう容姿から人を引き付けちゃうんだよ
ヨンジュニヒョン。
ヒュニン
ヒュニン
はぁ…この無自覚リアコ製造機…
ヨンジュン
ヨンジュン
…うん?

ヨンジュニヒョンの綺麗な澄んだ目が
くるっと丸くなる。



僕は、本当にこの目に弱い…。



ムスッとしたまま車の外の景色に目線を移せば、
丁度"HYBE"と大きく書かれた建物に到着する。

ソジュン
はいはい着きましたよお兄さん方

運転を終えたソジュニヒョンは、
車のロックを解除してくれる。

ヨンジュン
ヨンジュン
いつもこまうぉソジュニヒョン

ヒョンは、運転席の方ににこっと笑ってそう言うと、
自分の荷物を持って車から降りる。









ねえ、ヨンジュニヒョン…。



僕は、あなたが優しすぎて傷ついてしまうのが怖い。






ヒョンは、僕たちメンバーがどんな想いで
あなたを心配してるか、知らないでしょ…?









ヨンジュン
ヨンジュン
カイ?ほらおいで〜!
PDさんたちに挨拶しないと!!

ヒョンが、車を降りたところで止まっている僕を見て
不思議そうな顔をする。
ヒュニン
ヒュニン
…うん
ヒュニン
ヒュニン
今行きます〜!!

僕は方から下げているカバンの紐をぎゅっと握って
ヒョンの元へ走った。









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