それから、屋上に行くのが日課になった。
約束なんてしていないのに、
放課後になると、どちらかがそこにいて
どちらかがいれば、もう片方も来る
そんな、曖昧な関係。
「美月ってさ、静かだよな」
「蒼がうるさいだけじゃない?」
「ひど」
くだらない会話
でも、それが心地よかった
帰り道も、気づけば一緒になっていた
「美月といるとさ、なんか落ち着くわ」
何気なく言われたその言葉に、
胸の奥が少しだけ熱くなる
特別なんだと思った
思ってしまった。
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「最近さ、気になってる子いるんだよね」
ある日の帰り道、蒼が言った
夕焼けが、少しだけ滲んで見えた。
「へぇ、いいじゃん」
ちゃんと笑えているかは分からない
「美月なら応援してくれると思ってた」
その一言で、全部分かった
ああ、そっか
私は、ここなんだ。
隣にいるのに、
一番遠い場所。
「……うん、するよ」
それから、少しずつ距離を取った。
屋上に行く回数を減らして、
連絡も遅くして、
でも、会えばいつも通り。
それくらいの距離が、ちょうどいいと思った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。