独の続きと思ってくださいネッ
「失礼する」
襖の開く音。夜も更けた屋敷。湯浴みを終えた後なのか、ゆるく寝巻きを着崩し乱れ髪の影柱。瞑想中だったか?と俺の隣に擦り寄ってくる。
「…何のようだ。」
「ンン?用がなければ来てはいけなかったかい?」
「…そういう態度は軽々しく取らないほうがいい。」
「イシキしてしまう?」
「……癪に障る者もいる。」
「ひどい……♪」
思ってもいないくせに。不死川にそんな態度をとってみろ、激昂するぞ。俺は言葉が足らないゆえ、今の言葉にもきっと誤解を生じるだろう。普通の相手ならば。此奴は、あなたは俺の言わんとすることを汲むのが上手い。きっと俺の癪に障るというわけではないことは知っている。というか、おそらく…彼は今俺の好む態度をとっているはずだ。でなければ、意識する、なんて言葉は出てこない。稀血の気配、寄せられた体から香るサボンの香り。…俺の、好きな香が練ってあるな。
「何の用だ。」
「んー…最近水柱殿がそっけないなぁ、って?何かイヤな事でもしたかい?」
「、………そういうわけじゃあない。」
「じゃあそっけない態度はしているんだね?」
しまった、こんな言い方をしてはよそよそしく避けているのを認めているようなものだ。どうして、と畳に手を置き詰め寄る。裸だ胸元から覗く胸先。気にしないふりをして目を逸らすと気をよくしたような口角を上げる。……そんな理由なんて言えるわけがないだろう。俺は君の私物で己の欲を満たす真似をした、なんて。
「ねぇ、義勇…、そんなによそよそしくされたら寂しいなぁ…。」
「…、あなた…?」
「知っているよ、君が、俺のハンカチを持っているコト…何に使ったかも、ね…。」
ダメだよ、隠すならきちんと隠さないと。
懐から出された、紫色のハンカチ。乾いた精のこびりついたまま。ひどく動揺した。あれは俺が手で洗ったはず。洗って、…干して…?それからどこへしまった??自分の手の甘さが悔やまれる。彼の長い指に摘まれひらひらと弛むハンカチ。今俺はどんな顔をしているだろうか、心臓がひどく五月蝿く鳴っている。
「そう動揺しなくていいよ、脅そうとか思ってないから…、別にハンカチなんかでコソコソ抜かなくても、言えばいくらでも相手してやるのになぁ、って…♪」
「は?、!?何を、やめ…!」
「どうして?君はこれを望んでいたんじゃないのかい?」
寝巻きをはだけさせられ、褌の隙間から竿を取り出される。状況に強張りながらも彼の色香と情欲の自慰がバレた事に緩く主張する自身。内腿に添えられた手と、息がかかるほどに顔に近い彼の口。固唾を飲んだ。本能が求る、抵抗の二文字が浮かんでも体がそれを許さなかった。
「あー…♪」
「っ、……、」
未だ主張の足りない竿を口に全て含まれ転がされる。上顎に舌で擦り付けるように喰まれ、吸われ、舐られる。じゅるじゅると厭らしい音と息が部屋に響く。吸い付きながら口を離されるとちゅぽ、と音が鳴り、張り詰めるほどに血が滾り硬く竿が聳り勃っている。
「は、……義勇、大きいねぇ…♪ずっと立派なのだろうなって思ってた…興奮する…」
「…、あなた、あなた…!」
「まぁ、そう焦るなよ…ほら、ここから突いて、」
文机を支えに仰向けになり首をもたげる。口元を指差すままに竿を当てがう。全部いいよ、その言葉に従うままに、喉の奥へと腰を進める。コツン、と奥に届く感覚。くぐもった彼の声が一層欲を掻き立てた。
「、…グ…、…ご、…ぇ…♡」
「……すごいな、喉の、ここまで、…」
喉仏を押し上げるように竿の先が内側から主張する。こんなところまで入っている、彼の喉の奥を俺が占めている、ひどく興奮する。苦しさと欲に腰を浮かせて痙攣させる彼。引き抜こうと腰を引くと掴まれてさらに押しつけられる。喉の締まる感触。…柔らかい、気持ちがいい。もっと味わいたくて、感じたくて自らも腰を押し付ける。彼が苦しそうに腰を軽く叩くのもよそに律動する。
「ん、ぉっ、…♡ォ、…ごほっ、…♡」
「っ、はぁっ…、イイ……出すぞ、…喉を締めろ、…っ…!!」
「っ!…〜〜〜〜っ、…♡♡、っ、…げほっ!がはっ!!はぁ゛!…、♡、」
余さず出し切り引き抜くと、彼は咳き込み唾液をこぼしながらも愉悦に満ちた表情を浮かべ、口内に残った精を飲み下した。竿に纏わり付いた物まで舐めとり余韻を味わいながらちゅうちゅうと、吸っている。…心地がいい、ずっと吸われていたい。
「待て、流石にもう出んっ、…」
「出るって…子作りまでが一連じゃあないか、…大丈夫、すぐその気になるって…、」
未だ衰えぬ竿にまたがり腰を沈めていく。抵抗なく飲み込んでいく後孔。此奴、準備していたな…、根元まで咥え込むと腰を前後に緩く揺らし出す。官能的だ。扱きあげるように中が唸って気持ちがいい…。
「、…義勇の、すご、…こんなところまで届いてっ、……杏寿より、大きいかも…、♡」
「……っ、あなたっ、…!」
ゆったりとした快が心地よくもどかしい。下から突き上げれば嬌声と共に中がきゅ、とキツく締まる。掠めるように主張する中の悦を促す部位。押すように腰を揺さぶれば体を預け胸同士合わせながら快を受け止めている。食むように舌同士を絡ませる。水音も滑った感触も全てが煽ってくる。
「っんふっ、ィクっ、〜〜〜ぎゆっ、ぅ…ゥンンッ…!!…♡、あっ、ぁっ、すごいぃっ…♡」
「はぁっ、…イイっ、…!あなた……!」
「あっ、ぉっ、ん、おっ、…♡っはぁ……♡すご、…潮出るっ、…♡」
下からつくたびに腹を脈打たせ潮を散らし俺の腹を濡らす。ひどく官能的で、ひどく煽情的だ。ヅクンと疼く自身。もう限界だ、…出る、出る……!!
「っ!〜〜〜〜!!、っあ゛ぁっ…はっ…!あなた、…ん、ンン……、」
「んふ、…♡、……ダメじゃないか、出すなら、言わないと、……♡は、義勇…、」
中に注ぐと共に再度口付けを交わす。口付けの心地よさと余韻で竿が脈打ち精を残らず搾り注ぐ。ほら、こんなに出して…、と自身の後孔に指を差し入れねっとりと纏わり付いた精を見せつける。…俺のが、あなたの中に…。
「義勇、好きだよ…、もっと愛して、もっと義勇に満たされたい、……♡」
「…、あなた、ん、がっ……??………????」
見慣れた屋敷の天井。襖からさす薄闇は明け方か夜更けか読めない。寝巻きは入り乱れながらも、濡れそぼった様子も、なんなら彼もおらず、部屋には俺一人。そう、彼は、あなたはしばらく遠征で本陣を離れると言っていたじゃあないか。それも、数日前から。夢に見るだなんてなんと情けない。目覚めてこうも虚しいことがあるだろうか。
「……はぁ、」
今日は隊士の訓練をつける日、こうもぼんやりはしていられない。ともあれ、この情けなく汚れた褌を洗うところから始めなければならなさそうだ。
冨岡は未だに夢精しそうだよね
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。