元へ戻ったレンカへの優奈から最初のお願いにレンカは不満を持っていた。
辟易しながらもレンカはゼロを影から見張り続ける。聖女からの命令である限り。
優奈からの明確な範囲に指定が無かった彼は一人東京を散策していた。
金属音が鳴り響く。
ゼロの剣がすんでのところでレンカに受け止められた。
ゼロはレンカへと突撃する。振るう剣は全てレンカを正確に捉え追い詰めていく、仮面により視界が封じられている筈なのに
仮面の中での光。それを感じ取ったレンカは確信する
そりゃあどうも、と言いつつゼロはレンカへ突撃していく。
レンカはそれに対して仮面の効果を強める。能力の使用を制限したのだ
次の瞬間、血飛沫が舞った。肩から斜めにレンカの体には斬撃の痕が痛々しくも残っている。
眼前で不様に血を垂れ流す少女を見下しながら剣を掲げる。男は慈悲もなくそれを振り下ろす。
少女は何とか避けるが新たに傷ができ、これ以上戦闘すれば死ぬ事は明白であった。
逃げたと思いゼロは武器をしまう。だがそうでは無いと思い知らされる事となる。
刹那、ゼロの体に斬撃が迸る。何度も、何度もーーーー
一度は軽くとも二度、三度と永遠に続く、ゼロが死ぬまでは………
斬撃の嵐の中、男は集中する。ゆっくりとゆっくりと息を吸いながら空間の違和感を探す。
互いに満身創痍。勝敗を分けるのは一瞬………
甲高い音が鳴り響く。その時点で雌雄は決していた。
予め設置してあった斬撃が少女を包囲した。動きが止まった少女に為すすべはなく切り刻まれた彼女はゆっくりと倒れるのだった。
少女の心臓に剣を突き立てた。肉を貫く音と臓腑が裂かれた事を確認すると男はその場を去るのだった。
ゼロが立ち去った後、レンカの元へ彼女の伴侶であるケント・ホークスが駆け付けた。
意識が朦朧とする彼女にケントは必死に語りかける。復活した現代でこんなにも早く失いたくないから………
優しい言葉や励ましの言葉、愛の言葉を語って少しでもレンカを鼓舞した。
もう助からない。ケントがそう思った時、階段を降りる音が聞こえてきた。
希望の音にケントは振り向くがそれはすぐに絶望へと堕ちていく。
二人は笑いながら自死を図るがそれは叶わない。接近したロゼによって止められたから。
二人の顔には涙が溢れる。助かった事だけでは無い、自身の親友が傀儡で無かったから。優奈が一番苦しむ事が無くなったから
男は微笑みながら消え去る。願わくば将来、大切な者を傷つけない事を祈りながら。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。