第20話

第七話 ゼロ・ハーベスト
161
2024/03/06 14:57 更新
レンカ・ホークス
………ゼロ・ハーベストの監視、か
元へ戻ったレンカへの優奈から最初のお願いにレンカは不満を持っていた。
レンカ・ホークス
………現代の人間なんて大した事ないのに
辟易しながらもレンカはゼロを影から見張り続ける。聖女からの命令である限り。
ゼロ・ハーベスト
王クラスは月詠と四季がやるだろうしサボろうか
ゼロ・ハーベスト
君主は……まぁ誰とあたろうが負けるだろうな
優奈からの明確な範囲に指定が無かった彼は一人東京を散策していた。
ゼロ・ハーベスト
(監視されてるな。それも手練れ、もう解放したのか?)
ゼロ・ハーベスト
………聖女は想像以上に厄介そうだな
ゼロ・ハーベスト
削っておくか
レンカ・ホークス
……!?
レンカ・ホークス
消えた?一体何処に……
ゼロ・ハーベスト
隣だよ
金属音が鳴り響く。
ゼロの剣がすんでのところでレンカに受け止められた。
レンカ・ホークス
………何者
ゼロ・ハーベスト
知らなくていいさ。ここでリタイアしてもらうからな!
レンカ・ホークス
闇支配〝黒仮面〟
ゼロ・ハーベスト
何だこれ?いきなり俺の顔についたが……
レンカ・ホークス
………黒死病
ゼロ・ハーベスト
そうかい!
ゼロはレンカへと突撃する。振るう剣は全てレンカを正確に捉え追い詰めていく、仮面により視界が封じられている筈なのに
レンカ・ホークス
聴覚?触覚?第六感?
ゼロ・ハーベスト
いーやそのどれでもねぇよ
仮面の中での光。それを感じ取ったレンカは確信する
レンカ・ホークス
………未来視、もしくは眼の能力か
ゼロ・ハーベスト
正解だね、流石は初代五柱ってとこか
レンカ・ホークス
ならその仮面のタイムリミットも分かるの?
ゼロ・ハーベスト
勿論だ!俺が病に掛かって死ぬまでの時間も分かるしお前が俺に負ける姿も分かる
レンカ・ホークス
………おめでたい奴
そりゃあどうも、と言いつつゼロはレンカへ突撃していく。
レンカはそれに対して仮面の効果を強める。能力の使用を制限したのだ
レンカ・ホークス
………これで眼の能力は使えない
ゼロ・ハーベスト
訂正するぜ。半分不正解だ、俺の能力は別に眼を介してる訳じゃねえ
レンカ・ホークス
な!?
次の瞬間、血飛沫が舞った。肩から斜めにレンカの体には斬撃の痕が痛々しくも残っている。
ゼロ・ハーベスト
仮面も消えたみたいだな、維持出来なくなったってとこか?
眼前で不様に血を垂れ流す少女を見下しながら剣を掲げる。男は慈悲もなくそれを振り下ろす。
少女は何とか避けるが新たに傷ができ、これ以上戦闘すれば死ぬ事は明白であった。
レンカ・ホークス
闇支配〝冥洛ジルテッド
ゼロ・ハーベスト
消えた…?
逃げたと思いゼロは武器をしまう。だがそうでは無いと思い知らされる事となる。
刹那、ゼロの体に斬撃が迸る。何度も、何度もーーーー
一度は軽くとも二度、三度と永遠に続く、ゼロが死ぬまでは………
ゼロ・ハーベスト
最終手段ってか!?いいぜ付き合ってやるよ!!
斬撃の嵐の中、男は集中する。ゆっくりとゆっくりと息を吸いながら空間の違和感を探す。
互いに満身創痍。勝敗を分けるのは一瞬………
ゼロ・ハーベスト
そこだ
甲高い音が鳴り響く。その時点で雌雄は決していた。
ゼロ・ハーベスト
未来支配〝規終エンレコード
予め設置してあった斬撃が少女を包囲した。動きが止まった少女に為すすべはなく切り刻まれた彼女はゆっくりと倒れるのだった。
ゼロ・ハーベスト
オーラ防御硬すぎだろ……何でどこも欠損してねぇんだよ
ゼロ・ハーベスト
なにはともあれ……死んでもらうぜ
少女の心臓に剣を突き立てた。肉を貫く音と臓腑が裂かれた事を確認すると男はその場を去るのだった。
ゼロ・ハーベスト
めっちゃ美人なのに勿体ねぇな。敵だからしょうがねぇけど
レンカ・ホークス
………死ぬ
レンカ・ホークス
ヤバい、これ
ケント・ホークス
レンカ!
ゼロが立ち去った後、レンカの元へ彼女の伴侶であるケント・ホークスが駆け付けた。
レンカ・ホークス
ケント君……
ケント・ホークス
大丈夫!?
レンカ・ホークス
大丈夫な訳ない……見れば分かる
意識が朦朧とする彼女にケントは必死に語りかける。復活した現代でこんなにも早く失いたくないから………
優しい言葉や励ましの言葉、愛の言葉を語って少しでもレンカを鼓舞した。
レンカ・ホークス
……死ぬつもりはないよ、ケント君
ケント・ホークス
でも!
レンカ・ホークス
ケント君が諦めてどうするのよ
ケント・ホークス
うぅ………
もう助からない。ケントがそう思った時、階段を降りる音が聞こえてきた。
希望の音にケントは振り向くがそれはすぐに絶望へと堕ちていく。
ケント・ホークス
ロゼ………
間宮ロゼ
…………
レンカ・ホークス
ケント君、逃げて
ケント・ホークス
逃げれる訳ないでしょ。せめて一緒に
レンカ・ホークス
……そうだね。ロゼに私達を殺した何て枷をつけたくないからね
二人は笑いながら自死を図るがそれは叶わない。接近したロゼによって止められたから。
間宮ロゼ
聖魔支配〝魔王の慈悲ホーリーセイント
レンカ・ホークス
……え?
ケント・ホークス
ロゼ……さん?
間宮ロゼ
死なせる訳ないだろうが
二人の顔には涙が溢れる。助かった事だけでは無い、自身の親友が傀儡聖女への刺客で無かったから。優奈が一番苦しむ事が無くなったから
レンカ・ホークス
そっか……操られては、無いんだね
ケント・ホークス
優奈様も安心でしょうね
間宮ロゼ
………その、喜んでるところ悪いがアンテと同じで無理矢理表に出ただけだ。ぶっちゃけ後少しすればまた操られる
レンカ・ホークス
……それでも貴方はしっかりと生きてるならいいんだよ。優奈様が覇気に満ち溢れるから
間宮ロゼ
……そうか?まぁとっとと行け。俺が操られる前にな
レンカ・ホークス
うん!
ケント・ホークス
感謝します、ロゼ様
間宮ロゼ
行ったか……
間宮ロゼ
懐かしい顔が死ななくて良かったな
男は微笑みながら消え去る。願わくば将来、大切な者優奈を傷つけない事を祈りながら。

プリ小説オーディオドラマ