好きな人と、喧嘩した…
溢れる涙が止まらない…やだ…止まって…お願い…
酷い…のは、私の方…
分かってる、分かってるのに…
そんな言葉の投げつけて、私は寝室に籠った
喧嘩の原因… 久しぶりに会ったのに、彼の態度が冷たく感じた
それだけ?そう、それだけ…
会いたいのに会えなくて、それがしばらく続いて、久しぶりに会えた今日
ずっとスマホばかり触る彼が嫌だった…
なんて子供じみた理由だろう、分かってる…
私はただ、久しぶりに会う彼と笑って過ごしたかった…
会えなかった時間の話でさえ、笑って話したかった…
寝室のドアの向こうから私の名前を呼ぶ声が聞こえる
どうせ聞いてくれないくせに…
あぁ、なんでこんなこと思っちゃうんだろう…
謝らなきゃ…ちゃんと言わなきゃ…
そう思う度、言葉が口から出てこない…
あれからどれくらい経っただろうか
結果的に彼を無視する形になってしまった
もう、私の事なんて嫌いになったかな…
そう思うと、枯れ果てたと思っていた涙がまた溢れ出す…
ちゃんと彼に伝えないと…
ここで呟いても仕方ないから…
深呼吸をして息を整える
フーっと息を吐けば、さっきから物音がしないことに気が付いた
もしかして、出て行った…?
嫌だ…それは嫌だ…ごめん…ごめんなさい…
恐る恐る寝室のドアを開ければ、壁にもたれかかって座る彼がいた
名前を呼べば、顔を上げる彼
少し目が充血してる…泣いてたのかな…
儚い表情を見せる彼に、座り込んで彼を抱きしめた
彼は何も言わず私を抱き締め返してくれた
耳元で鼻をすする音が聞こえる…
ごめん…ごめんね?…泣かせて、ごめんなさい…
コクリと頷く彼に、腕の力をキュッと強めた
声を詰まらせてそう聞いてくる彼に胸が苦しくなった
体を離して彼の顔を見れば、目に涙を浮かべて悲しそうにしている
その涙がすーっと頬を伝うから洋服の袖で拭き取った
そう言って、溢れる涙は拭き取っても拭き取っても零れている
私も釣られて涙が溢れるのは、彼を想う証拠になるかな…なればいいな…
やっと涙が止まり、目と鼻を赤くして拗ねたように言う彼が、とても愛おしい…
私の言葉に、安心したように微笑む
それから私の頬に両手を添えたかと思えば顔が近づく
私が首を縦に振れば、唇が重なる
深く甘くなっていくキス…
泣きそうなくらい、気持ちがいい…
ここが廊下であることを忘れるくらい夢中になれば、彼の手が私の服の中に侵入し腰を撫でる
彼が私の唇を見つめながらストレートにそう言うから、いいよと言う代わりにキスをした
それから2人で手を繋いで寝室に入り、彼は優しく私を押し倒した
あぁそうか…
私が「嫌い」という言葉を投げかけたせいで、こんなに不安にさせてたんだ…
そう言って降ってくる甘いキスに夢中になる
しばらくして彼の手が服の中に入ってきた
同時に彼の唇は私の耳、首筋へと下がっていく
溢れる声が止まらない…恥ずかしくて、唇を固く結べば、私の唇に優しく触れるだけのキスをして優しく微笑む
コクリと頷けば、満足そうに笑って私のおでこにキスをする
服の中に入ってた手の動きが再開すれば、あっという間に脱がされる
下着も一緒に脱がされ、胸への甘い刺激が私を襲う
彼の方をちらりと見れば、少し驚いている様子
だから言いたくなかったのに…
引かれてないかな…?
止まんなくて…じゃなくて、止めないで?
いつも優しい彼だけど、今日だけは気の済むまで抱いて欲しい…
ちょっと、黙らないでよ…笑
誘うのって結構恥ずかしいんだね…知らなかった…
教えてくれてありがとう
もう…あんまり可愛いなんて言わないで…
恥ずかしいのと、嬉しいのとで心臓壊れそうだよ…
私が彼の頬に手を添えて言えば、私の手を上からそっと包み込み優しく微笑む彼
直ぐに唇が重なって、甘いキスと胸への刺激に夢中になる
いつの間にか下の方も脱がされていて、いちばん敏感なところに彼の指が触れる
ゆっくり入ってくる指も、慣れてこれば動くスピードが早くなる
彼はそう言いながら私の中から指を抜き、自身にゴムを纏う
彼の頬に片方の手を伸ばせば、色っぽく口角を上げた彼は私の手を取り指を絡ませる
熱くて、固くて、大きくて、そんな彼のモノが私の中に入ってくる
何度やっても慣れないけど、この瞬間がとても好きだったりする
彼には内緒だけどね…?
ゆっくり馴染むように動かしていた腰が、だんだんと早くなっていく
耳元でそんなこと言われたら、我慢なんてできないに決まってる
私は彼より先に絶頂を迎えた
肩で息を整えている間、動かさないでくれたけど、直ぐに再開する律動に甘い声が溢れ出す
手を繋いでない方で彼の動きを止めるように彼の肩に手を置くけど、当然力なんて入らないから意味は無い
少し息を乱しながら言う彼の言う通り、
私は、肩置いてた手を頬まで滑らせ自分の頭を持ち上げた
そうしたら彼も顔を近づけてくれるから、キスをする
私の目を真っ直ぐ見つめながら言うから
すごく恥ずかしいけど、今はそんな事どうでもいい…から、たくさん言うね…
彼の甘いキスが降ってこれば、自分でも中がしまったのが分かった
彼の首に抱きつくように腕を巻きつければ、
私の背中に手を回してぎゅっと抱きしめてくれる
それから膜越しに彼が達したのを感じて、同時に私も絶頂を迎えた
私の返事に嬉しそうに微笑むと、私の中から未だ熱を帯びているモノを抜いて新しいゴムと付け替える
その時間さえおしくて、彼の太ももをそっと撫でる
こくりと頷けばニヤリと笑い私の唇にキスを落とす彼
甘く始まった第2ラウンド
私が「好き」と伝える度、嬉しそうに笑う彼が
すごく可愛くて、愛おしい
今までよりずっと、この笑顔を、彼自身を、
大切にしよう…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。