ただいま試合中。
試合には全員出るんだけど
主の人(ほぼ常に出てる人、レギュラー)は
ほぼずっとだから大変なんだ。
ちなみに私、そのレギュラーの1人。
周りに敵が三人も居て、動けないカンナ。
私にパスを回す事にしたらしい。
すぐに勢い良くボールが飛んでくる。
それをキャッチしてドリブルでゴールまで行く。
二階のベンチから声が聞こえた。
あの人の声だ_。
と、相手が回りにやってくる。
ベンチからそう叫ぶ。
こんな距離で?
あの人は三点シュートが上手い。
だから外さないかもしれない。
でも私は外すかもしれないんだよ?
私はその人の言葉を信じる事にした。
ボールを投げる。
“スパッ”
ボールが入った。
私、決められたんだ!
『うぉぉぉぉぉ!!!!!』
色々な場所から声が上がる。
先輩たちに励まされて頷く。
あの人の方を見る。
《グッド》
親指を立ててにっこり笑ってる。
《グッド》
私も親指を立ててにっこり笑い返した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。