…その日は通院の帰りだった。
生まれつき体が弱くて、両親からも見放された僕をおばあちゃんが送ってくれたんだ。
帰る途中風が気持ちよくて遠くを眺めていると……青々と繁る草の中に君がいるのが見えた。君は太陽の光を浴びて輝いていて、僕は最初太陽の妖精だと思ったんだ。
暫くじっと見つめていると君が振り返って僕を見た。そして…声をかけてきたんだ。
僕が慌てて答えると君はくすり、と笑って「慌てないで」と僕を宥めた。
…今思えばこの時から僕は君に恋していたのかもしれない___________。
characterprofile
汐瀬 帝⇒何故病院にいたのかは分からない。
15歳。(中学三年生)
瀬尾 碧依⇒生まれつき体が弱い。
9歳。(小3)
next𓂃 ☀︎*.。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。