第19話

それぞれの仕事
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2025/09/19 23:30 更新

🖤レンside


 牢屋を見て、とてもびっくりした。


 酷い環境にも程があるよねって感じ。

 
 牢屋の鉄格子の奥には、大きな棚?がある。


 5段くらいの棚。一段につき高さは40センチ、奥行きは1メートルくらいかなぁ。


 その段に囚人が一人ずつ仰向けにして入れられてる。

 狭そう……。布団もないから体痛くなっちゃう。


 服も、みんなが想像する白黒ストライプなんかじゃなくて、本当にボロボロの服。ゴミでも使ったのかなって感じの服。大抵みんなどこかが破れているし、どこかに汚れがある。






 一人ずつ牢屋に入れられるのかと思ったら、まさかこんな状況とはね。

ヒカル
見回りって、マジで見回るだけなんだもんね

 と、ヒカルくん。
ヒカル
囚人たちが逃げたりしてないかとか、
囚人どうしで争いが起こってないかとか、
確認するだけでいいんだもんね?
レン
そうだね

 そんな会話をしていると、鉄格子の方からガタンと音がした。
囚人
おぅおぅ、なんでテメェらみたいな
ガキがここにいるんだぁ?
ヒカル
ひいっ

 ヒカルくん、びっくりしてる。

 話しかけてきたのは囚人だった。そりゃそうか。
囚人
ひぃって!随分情けない声出すなぁ!

 囚人は鉄格子を蹴って大きな音を出した。
レン
ヒカルくん虐めたら許さないけど?

 俺が囚人を睨みつけると、彼は大笑いした。
囚人
こりゃあ傑作だなぁ!こんな小さい子供に
守られちまってよぉ。弱っちいなあ!

 俺とヒカルくんは、無視して通り過ぎた。


 俺らは、1周目の見回りを終えて看守室に戻った。
ヒカル
俺がレンのこと守らなきゃなのに、ごめん……

 ヒカルくんが悲しそうに言う。
 
 結構気にしてるね、これは。
レン
大丈夫だよ

 そこから後の見回りは、結局全部2人で行った。
  
 あの囚人以外にも、絡んでくる奴は何人かいた。


 当分、この仕事は回ってこなくていいかな。

 1日の終わりに、仕事の様子をリーダーに報告する。

 絡んでくる囚人がいて怖かったことを伝えた。
刑務所長
あー、そういう奴らははまだ刑務所に
入って間もない奴らだな
ヒカル
え、ベテランじゃなくて?
刑務所長
刑務所ベテランってなんか嫌だな……。
本当のベテランは、何も話さない、動かない。
そういう奴らだよ

 なんか、ここの牢屋に長く入ってると、どんどん心が静かになっていくんだって。
刑務所長
あの環境に置かれてるんだからそうなるさ。
生きる意味も分からなくなっていくんだ。
絡んできた奴らも、いずれ静かになる


 
 部屋に戻ると、もう他の6人は揃ってた。

 そこから、みんなの仕事の感想会が開かれた。
ダイスケ
俺はね、めっちゃ楽しかった!海賊時代から、
陸の動物に触りたいなって思ってたからさ!
牛とか馬の世話、楽しいよ〜!糞の処理は
若干面倒だったけどね!

 確かにダイスケくんは、船から街に出るといつも、飼われている犬とか猫とかに目を輝かせてた。
 
 今日はみんなピッタリな仕事をさせられたってわけなんだけど、動物好きがどうして伝わってるんだろう?
 余りを埋めたら偶然動物好きが当たったのかな?
リョウヘイ
俺のも楽しかったよ。今日はいっぱい
種撒いたなぁ。……でも、タツヤが全然
使えなかったんだよね
タツヤ
種を袋からこぼしてばら撒いた件ですか
リョウヘイ
それもあるけど……うん、挙げてたら
キリがないからいいや

 何があったんだろう?
ショウタ
俺、孤独だった。動物とかがいるわけでも
ないから、ダイスケと違ってガチひとり。
汚れはいっぱい落としといた

 ほうきで掃いて、雑巾かけてって、色々やってたみたい。大変そうだな。
リョウタ
俺のとこも楽しかったよ。ショウタとは逆。
まあ賑やかなこと賑やかなこと
コウジ
そないにか?
いうて俺と2人やったやろ?
リョウタ
コウジが賑やかで賑やかで

 料理について聞いてみると、罪人に与える食材は最低限のものだけだったらしい。

 食料を与えるときも、厨房にある穴に食べ物を流し込むんだって。穴の奥は坂になってて、牢屋に繋がってる。そこを滑り落ちてきた食料を囚人たちは食べる。

 なんか、人に食べ物を与えるって感じじゃない。
コウジ
1日1食だけやいうのに、パンはほんのちょびっと
やし、それ以外のものも……用意された材料は
大根の葉とか、人参の葉とかやったわ。
さすがに粗食すぎやな

 裏で育てている野菜は、俺らとリーダーを主に養うためにあるらしい。余りは罪人に与えられるみたい。


 俺たちの仕事のことも話すと、怖かったなぁとみんなヒカルくんを慰めてた。うんうん、ヒカルくん相当怖がってたもん。


タツヤ
この生活がこれから一生続くのかなぁ?
リョウヘイ
だとしたら、どっかのタイミングで誰かが
リーダーを受け継がないと駄目なんじゃ?
レン
なんか俺、もう海に行きたくなっちゃった

 大変なこともたくさんあったけど、ラウと楽しい日々を過ごしたあの海の上。
ダイスケ
んー、確かに。またいつか海に出られるといいね
コウジ
少なくとも、大人になるまでは
待たなあかんなぁ

 1ヶ月ほど経つと、子供たちはどんどん仕事に慣れていった。刑務所での様々な仕事をこなし、休日には顔を隠して買い物に行った。


 1年ほど経つと、子供たちはすっかり今の生活に満足し、充実した日々を送っていた。ちなみに、絡んできていた囚人たちは一言も話さなくなった。

 2年ほど経つと、海での生活を懐かしいなと語れるようになった。あんなこともあったねと、話しては盛り上がった。

 3年ほど経つと、急にラウに会いたくなった。今頃どんな風になってるかなと、想像して楽しんだ。

 4年経つと……

 5年経つと……





 あっという間に時は過ぎ、驚くべきことに10年もの年月が流れた……。




 ちょっと強引に時間、進めすぎですか?

 作者を大目に見てやってください。

 さて、次の話ではもうみんなが大人……っていうか年長組に関しては20代半ばを過ぎた話になってきます。

ちなみに私は、中間テストの真っ最中なのにこれを書いてます

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