第10話

Chapter9
161
2024/05/17 12:17
❤️side
❤️
なんか可愛いことになってんで!?
💚
は?
これは夢か幻か、はたまた魔法か。
いやもうこの際何でもええから誰か何でこうなったんか説明してくれん??
何の変哲もない朝だった。強いて言うならちょっとだけ早く起きたぐらい。本当にそれだけの特に変わったことはないいつも通りの朝。そんな俺に変化が起きたのは楽屋に入った時だった。
❤️
おはよーございまーす
💚
え、しげ?今日早いやん
❤️
おー、おはよ神ちゃ、ん…?
楽屋には既に神ちゃんがいて、軽く挨拶を交わすと彼からポンっと飛び出してくる小さな赤いハート。そのまま軽い音をたてて俺の頭に当たった。え、なにこれ。
💚
しげ?
突然固まった俺を心配そうに覗き込んでくる神ちゃん。その間もポンポンと溢れ出てくるハート。そして冒頭の会話へ戻る。
💚
かわいいって…何言うてんの?
❤️
え、あ…っと…何と言いますか、ハートが…?
💚
ハート?
❤️
はーと……、
💚
ますます分からん…しげ、疲れてるんとちゃう?
うんうんそうよな、俺もそう思うわ。でもほんまに見えんねんて、ハートが、いーーーっぱい。


クシャ、
❤️
(ん……?)
ふと手を突っ込んだポケットに紙のような感触を感じる。紙なんて入れた覚え無いねんけど、今度はなに…?

取り出してくしゃくしゃになっていたそれを広げる。どうやらお菓子の包み紙のようだ。
そういえば今朝マネージャーから飴をもらって、それを舐めながらここに来たっけ。舐めていると色と味が変わってくる不思議な飴。

俺が食べたのは、
赤色の、甘酸っぱいイチゴ味。
❤️
っ…どんなファンタジーやねん…!

そんな飴の色に負けないくらい今の俺は真っ赤だと思う。だって、あの溢れ出るハートの意味を、神ちゃんからの想いを知ってしまったから。


"好きな人のハートが見えちゃうかも!"


小さい子が喜びそうな占い付きの飴。ハートから連想されるのはおそらく「愛」。勝手な解釈をするなら「俺の好きな人が俺に対してどれだけ"好意"を抱いているか」がハートとして見えるということ。

どうしてあの飴にそんな効果があるのか、そもそも飴のせいなのか。不思議なことは沢山あるけどもうそれどころじゃ無い。


なあ、"赤色"ってさ、自惚れてええの?

あの飴には種類が沢山あるから色は何でもいいはず。それこそ彼のカラーである緑でも、他の色でも。なのに出てくるハートは赤色、しかも赤だけってことはさ、

神ちゃんも俺とおんなじって思ってもええ?

密かに育て続けてきた君への想い。
そろそろ伝えていいですか…?
❤️
っなあ、神ちゃん…話があんねんけど_____


〜fin〜

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