第2話

諦めなければ。(zenbの一部小説2)
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2024/01/08 12:31
今回は、私が気になっているハヤトが退場したゲームのラストシーンの一部小説です!
※これって、私の空想ですよね?
そうです!
これは私の勝手な空想なので、まあ、こいつはこんな感じだったと思ってるんだ〜みたいに思いながら是非お読みください!
「ウサギ!狼は、」
「うん。分かってる!クリオネちゃんがスコル!」
「ああ、隠れるか逃げろよ?捕まったらおしまいだ。」
「ハヤト。」
「ん?」
俺は隠れながらウサギと貸与スマートフォンで小声で話す。
優しく、ウサギに問いかける。
「私の推理信じてくれてありがと。」
「当たり前だ。俺だって占い師だからな。」
「そろそろ動く。」
「わかった!無事でね。」
ああ、また17:00に会おうな!と、声を残し通話を切る。
そっと、隠れていたところー茂みからそっとでる。
ピロン、という音がして画面にウサギが出る。
『ハヤト、』
「ん?どうしたんだ?」
見つかったらどうしよう、とウサギが不安そうに言う。
「大丈夫だ、ウサギ。俺たちだぞ?」
『うん、そうだね。』
「諦めるなよ?」
うん、そっちもね。とウサギが小さく笑う。
「俺、学んだんだ。」
『何を?
「諦めなけ、」
その時、トッという後ろに着地する音がした。
俺は、少しだけ振り返る。
白い花嫁がつけるようなベールが見える。
そいつは、口を裂く。
俺は、走り出す。
すっと、突然俺の視界からそいつが消える。
「ウサギ!聞こえてるか?」
『う、うんっ!』
「きっと、諦めなけれ、」
ふわっと、俺の視界にいきなり白い花嫁がつけるようなベールが見える。
こ、こいつー。
「きっと、諦めなければ、勝てる。」
再び口を裂けー、
「途中で諦めるのは負けるよりもカッコ悪い。」
『ハヤト…?』
クリオネとウサギの声が同時に聞こえる。
「そんなわけないじゃないですか。さっさと諦めなさい。」
派手な猿をあしらった着物を、探偵のような丸い眼鏡を、ホストのようなサングラスを、リュックと絆創膏を。
思い出す。
「私たちは何よりも強いんです。」
クリオネー狼が口を大きく裂け笑う。
呆気に取られていた俺に、襲いかかる影が見える。
耳元に、息。
「負けるのは途中で諦めるよりもカッコ悪い。」
天使が、俺に囁き俺を飲み込む。

『ただいま、スコルの襲撃により赤村ハヤトくんが退場した。』
伯爵のアナウンスに息を呑む。
『これより、勝利陣営が決定した。ご案内しよう。』
私はー次の瞬間、走り出していた。
『狼陣営の勝利だ!参加者には退場してもらおう!』
闇が、あたりを包みだす。
私は必死に明るい方に手を伸ばす。
ふと、幼馴染のハヤトの顔を思い出す。
退場したくない、死にたくない。
「私だってそうだよ!」
途中で諦めるのは負けるよりもカッコ悪い。
そして、私を闇が包み込む。
「バイバイ、ハヤト。」
そう私は言って、目と口を閉じた。

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