私たち受験生は説明を受けた後、各々の受験票に表記のある演習会場へと移動した。
目の前にあるのは大きなゲート、その奥には市街地を模した無人の建物の並び。
これが複数もあるのだと言うのだから、驚くのにも無理はない。
人使と緊張感の感じられない会話をしつつも、私は前に居る受験者を見ていた。
何の前触れもなしに開始の合図が響き、私は驚きと共に反射的にゲートへ向かって走り出した。
後ろから人使を含めた受験生のざわめきが聞こえるが関係ない。
後続が慌てて走り出したところで、上空から仮装敵を探すために箒に飛び乗り、散策を始めた。
数秒上空を走っていると、プリントに記載されていた仮装敵の姿が複数視界に入った。
私はすぐに箒から飛び降り、強風を吹かせたその勢いで、仮装敵のてっぺんに蹴りを喰らわせた。
ガシャーン! と大きな音を立てて、仮装敵は大破。
今倒した一体だけが全てではないため、そう立ち止まっても居られない。
次の仮装敵を探す為に、目の前の仮装敵達に大量の水を掛け、雷を落として感電させる。
ぷすぷすと黒い煙を立ち上らせながら崩れる仮装敵を背後に、私は次の敵を探すために走りだしていた。
監査室にて、雄英教師が数々の受験生の資料、試験会場の様子が映っているモニターの数々を見ている。
そう言って、ポチッと何かのボタンを押した。
目の前にいる3Pの仮装敵を倒し、合計ポイントが68になった。
次の仮装敵を探そうと方向転換したところで、突如として爆発音があたりに轟いた。
1人の受験生が指を指した方向を見ると、プレゼントマイクが言っていた0P敵がすぐそこにいた。
0P敵が軽く前に進むと、周りに建っていたビルなどの建物が倒壊し、瓦礫が受験生達に向かって降り注いでいく。
命からがら逃げ出す受験生の隅に、見慣れた人影を見つけ、立ち止まった。
足を瓦礫に挟まれ、力が入らず抜けられない様子。
私はその様子を見て、咄嗟に0P敵の方へ箒をつかんで駆け出していた。
その時の頭の中なんて何もなくて、ただただ「助けなきゃ」という思いに駆られ————。
私は空中で光魔法を使って、手に光エネルギーを収束させ、一気に0P敵へと放った。
高温の熱線を受けた0P敵は、轟音を立てて部品をバラバラと落としながら前方へ倒れてくる。
それを見た私は、すぐさま人使の上から瓦礫を退かし、首根っこを掴んだまま後ろへ着地した。
と同時に、試験終了を告げるサイレンが鳴り響いた。
私は一気に疲労に襲われ、ヘタリとその場に座り込んだ。
人使が私の左腕をそっと指さして言った。
言われて見ると、確かに傷ができており、血が少し出ている。
声のする方を向くと、小さなお婆さんがみんなに何かを渡しながら歩いて来ている。
どうやら労いの為か分からないが、グミを配りながら歩いているようで。
少しぽけっとしながら見ていると、そのお婆さんが私たちの前に来て言った。
おずおずと手を差し出してグミを貰う。
手を広げてみると、くま型の可愛らしいグミだった。
ありがたく口の中に放り込み、そのまま咀嚼していると、お婆さんが腕の怪我に気がついた。
お婆さんは後ろを振り向き、次の試験会場に向かって歩いて行った。
その時、人使が少し寂しそうに笑った事に、私は気付かなかった。
交換宣伝入ります! はい、こちら私のリア友ちゃんの作品となってまして… 設定から神ってるんです 夢主ちゃんがですね、少し不思議な雰囲気を醸し出しているんですよ だからか、これからの展開がどうなっていくか予想もできないんです!! んまぁ、まだ数話しか投稿されていない所為もあるのですけれども…( 一度でも良いから読んで見て欲しいです! 語彙力なくてごめんね!! 交換宣伝ありがとう〜!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!