BL要素あり阿吽コンビ…
どうして、満たされないんだ
3年の春
またやってる
「これ、バレーボールの刺繍です!」
「はい!つけてもらいたくて…」
ドッ
「あのっ」
「違います!あなた先輩呼んでくれませんか?」
「えっと、これ!」
くまさんキーホルダーを渡した
「お願いします!」
「諦めませんからね!」
「岩泉先輩!好きです!」
「違います!」
「及川先輩!?」
「岩泉先輩は及川先輩の彼氏でもないですよね?」
「そんなのおかしいですよ…」
「ユウです」
「そんなはずは、無いと思っていたのに!」
ユウは走り去っていった
どうしよう…及川飛び出してったし…
いつ出ようか…
やべー、より出づらくなった…
バレるわけにもいかないし…
よし、ゆっくり立ち去ろう
ガタッ
バレた…
いやそれよりさ
全部知っていた
及川が岩泉のこと好きなのも
岩泉が、及川のこと考えないようにしていたことも
僕のことなんて忘れて
2人で幸せになってろよ
もう、及川の相談相手じゃなくなるし
きっと毎日が楽しくなるって思ってる
これが、現実
どうせ岩泉に勝てない
昔から二人のことは知っていた
いつも間に入っては喧嘩を止めた
2人はいつも楽しそうで羨ましくて
だからこそ、二人のことは好きだった
せっかくなら恋も応援したかったし
僕の片思いなんてなかったことにすればいい
この片思いに気いたのは及川が彼女の話を自慢しだした頃から
僕だけに教えてくれた
「岩ちゃんに嫉妬してほしい」
僕のことなんて友達止まりなのもすぐわかった
これがなんかのドッキリで、
これが、寝坊した夢の理由で
引っ込み思案は直らないままで
全部僕の心の色がぐちゃぐちゃで
何がなんだからわからなくなる
声が震えていないか心配になる
この顔は見せられない
今日は曇りのち雨
雨が降りそうな天気だから勘違いしそうで
でも、それはあついから
あーあ、全部お見通しってか
ほんとにずるい
今日も、また
雨が降り出す
2人ともびしょびしょになって
でも、笑っていて
僕が好きなのは及川なのに
岩泉が僕の名前を出した時のことを
意識しそうで
岩泉は僕の冷たくて震えた手を取る
いつの間にか顔が熱くて
いつかは僕から
2人が認めた時に
告白、しようと思うよ












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。