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第14話

第四話(2)
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2023/04/23 03:01
ルオト side



通常通り営業していると、今井が店内へ来た。

誤認逮捕の謝罪後、アマリリスが絶品だと聞いた、
そう言って長居していた。



今井「ところで、店長は行方不明だそうですね。我々が力になれることがあればと思うのですが」


ルオト「少年係の椿さんにも話したのですが、店長には店長の事情があると思いますので、信じて帰りを待ってみようかと」



納得の言ってない返答の今井。

樹先生のことを聞くと、今も警察を続けていると。

樹先生に警察を辞められてしまうと計画が全て水の泡だ。



今井「このパン、一つ持ち帰ってもいいですか?倉澤さんに食べさせてあげたくて。

彼女、甘いものに目がないもので」



は?

こいつ、ただの相棒だろ。なんでそこまで知ってんの。

僕のものなのに。



今井「彼女のこと心配なさらないでください。私がいますから」


そう言って、店を出た。


取るなよ。

僕のもの。






ルオト「あいつ、嫌い」



----


苛立ちが止まらず今すぐに殺したい衝動を抑えるため、仕事に専念した。


さっきのは撒き餌なのか。
僕がどんな行動に移すのか見るために。

…難しい。どうすれば。



聡美「一真くん、今いい?」


なんだようざいなぁ。
今話しかけんなよ。



ルオト「…なに?」


聡美「あのね…今井っていう刑事の後つけたんだけど…あいつ1人で歩いて帰ってるみたいで、、」




は?


勝手になにやってんの?


俺とあなたちゃんの計画、台無しにする気かよ


殺す気もないくせに。


ふざけんなよ。



ルオト「殺す気もないのに後つけたの?」


聡美「大丈夫、だと思うんだけど…」



苛立ちが止まらない。


優しくしなきゃと思えば思うほど殺したくなる。



ルオト「人を殺すっていうのは、そんな簡単じゃないんだよ」



首なら頸動脈
心臓から脳へ血液を運ぶ太い血管が走ってる

喉仏の左右
周りに分厚い筋肉があるから切る時はグッと深く

首を絞めるなら頸静脈と頸動脈
頸動脈は三キロから五キロ
頸静脈は二キロの力で閉塞する

数秒で脳鬱血

やがて脳が死ぬ


死ね


死ね




『計画はやり遂げてもらう約束だから』


頭にエコーがかかったように流れてくる
あなたちゃんの声



ハッとなって聡美の首から手をどけた


あんまり、怒らせないでくれよ。



ルオト「ごめーんね?びっくりした?
わかってる。僕のためにやってくれたんでしょ?

1人でよく頑張ったね。ありがとう。」


聡美「…っ、ごめんなさい。
私、一真くんに守られてばっかりだから私も何かしなきゃって…」



体に教え込んだから


しっかり覚えててね。






殺すなら






失敗しちゃだめだよ?

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