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第1話

episode.1
44
2026/04/04 12:40 更新










SHRが終わって、放課後になる。

あなたの名字の席を見ると、やっぱり、もういない。

あの子は、放課後になるとすぐに教室を出る。毎日そんな感じだから不思議に思って、本人に聞いたことがある。「用事があるだけだよ」って一応答えてくれたけど、なんか、誤魔化されている気がする。













「あなたの名字ってさ、毎日放課後何やってんの?」

「……本人に聞きなよ」



東風谷が眉間に皺を寄せていることに気づきつつも、気にせず話し続ける。



「本人には聞いたよ。聞いたけどわかんなかった」

「じゃあ、知られたくないってことなんじゃないの」



阿久津さんの冷めた声。ペンを動かしたままで、顔すら上げてくれなかった。

本当に人に知られたくないことだとしたら、ますます知りたくなってしまう。



「もう一回聞いたら答えてくれるかな?」

「いや、無理でしょ」

「ほんと、星崎ってあなたの名字ちゃんのこと好きだよね」



色々な人にそうやって言われるけど、俺、あなたの名字のことが好きって一回も言ったことないんだけど。なんでバレてるわけ?

まぁ、否定するつもりはないけどね。



「んー、うん」



ずっとペンを動かしていた阿久津さんが、手を止める。



「……星崎くんは知らないの?」

「なにが?」

「あなたの名字ちゃんに、……彼氏がいること」



頭の中が真っ白になった。











































……わけでもなく、ただ、首を傾げた。



「え、知ってるけど」



好きだと自覚する前から知っていた。あなたの名字に、高校に入ってすぐにできた彼氏がいることなんて。



「じゃあ、知ってるのになんで……」

「好きになっちゃいけないなんてこと、ないでしょ?付き合ったらダメなのはわかってるけどさ」



普通のことを言ったはずなのに、阿久津さんは驚いた顔をしているし、東風谷に関しては完全に呆れている。



「え、何、2人とも」

「一途でいいねって思ってただけ」

「絶対思ってないじゃん」



















































次の日の放課後。例のごとく、あなたの名字はすぐに教室を出た。

俺の足は、考える間もなく動き出していた。



「ねぇ」



あなたの名字の腕を掴むと、少し大袈裟だと感じるくらい肩を跳ねさせた。























合ったその目は、酷く怯えていた。























「っ、……あ、星崎か……どうしたの?」

「今日、暇かなって」

「……ごめん、今日も予定あるんだよね」



いつもの答え。

そう言われても、食い下がらなかった。



「何しに行くの?」

「買い物行くだけだよ」

「じゃあ俺も──────────」



そう言いかけると、あなたの名字は腕を振り払って、一歩後退した。

まずい、踏み込みすぎた。と思った。



「ごめん、……お店閉まっちゃうから、もう行くね」

「……うん」



見せてくれた笑顔は、なぜか、引き止めてほしそうだった。



































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