第3話

💙
622
2020/06/06 04:04










何度も言うようだが、最近のヨンジュンがおかしい。







…いや、「おかしい」は失礼か。







身長が急に伸びたわけでもなく、(あまり身長差は開いてない…はず。)精神的なものだ。







つい先月までは一緒に登下校することに何も抵抗を感じていなかったようだったが







最近は隣に並んで歩くことにすら躊躇っているようで







今日もそうだった。







「あ、ヨンジュンおはよ〜」







ヨンジュン「…おはよ」







「あのね」







ヨンジュン「…先行っとくわ」







そう言うとヨンジュンは早足でその場から離れた。







「……」







私何かしましたっけ?!







と、思ってしまうほどの冷たさ。







慣れてきたつもりだったが、やはり精神的ダメージは大きい。







何故かヨンジュンの態度に悔しくなった私は、近くに転がっていた「小石」を蹴り飛ばした。







ぽちゃんっ、と音を立てて用水路へ落ちていった。







…あれ?







足の裏に残った「小石」の感覚。







ぐにゃっとしていたような…







明らかにごつごつとした硬い石のものではない。







「…なんだろう。」







用水路に落ちてしまった「小石」の正体が気になって私は覗き込んでみた。







思い切って手を用水路の中に突っ込む。







用水路の水の流れは緩やかだったので、「小石」を拾い上げるのにはあまり苦労しなかった。







「わっ」







握った手の中には







見慣れたイヤフォンがあった。







Yが刻まれている特殊なデザイン。







同じものを持っている人もいるかもしれないが、







この道を通ったヨンジュンのものである可能性は高い。







「…どうしよう」







誰のなのかもはっきりわからないが、







学校に着いてからヨンジュンに聞いてみよう。










___ヨンジュンに話しかけるきっかけにもなるし。










そう思い立って歩き始めようとしたその時。







??「わぁ!!」







ドンッ







「きゃっ…!」







背後を誰かに押され、倒れ込みそうになった。







声からして男子だろう。







幸いヨンジュン(?)のイヤフォンは持ったまま。







「ちょっと誰…」







「…って」













??「あなた先輩、どうしたんですか?^^」










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