第7話

💙
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2020/06/07 08:10









結局その後はヨンジュンと連絡する気にもならなかったので、ケータイに触れないようにした。









…だって、反応が薄いんだもん。









反応が薄い人と話したって何も楽しくないし。









そう自分に言い聞かせてもやっぱり気になって。









ケータイを開いてみると、通知が2件。









誰かなあ。友達からかなあ。









…ヨンジュンからではないだろうな。










カトクを開くと私の予想を裏切るかのように、









ヨンジュン
ヨンジュン
…あなた
ヨンジュン
ヨンジュン
今回の夏休みはどこにも行かないし、いつでも暇だけど







と来ていた。









……










全く話しかけてくれなかった人からの2件ってこんなにも嬉しいものなのか。









つい口が綻んでしまった。









💙
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え、そうなの!
💙
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ならさ、今度近所にできたアイス屋行こーよ







ヨンジュンはなんでも食べるし、アイスも喜ぶだろう。









さて、あとは返信を待つのみだ。










ベッドに仰向けになるやいなや、ドアの向こうから声が聞こえた。









スビン「あなた〜」










スビン「今日のご飯どうする?」










私たちの両親は仕事で忙しく、私たちだけで夜ご飯を済ませることが多い。








「冷蔵庫にあるものだけでいいんじゃない?」









「パン以外で」









スビン「えっ…!パンだめなの?」









「だって私は米の方が好きだし。」









スビン「そっかぁ…」










そんなにガッカリしなくても。










スビン「…部屋入っていい?」









「いきなりどうしたの」









私の了承を得ずに勝手にスビンは部屋に入ってくる。









毎日見てるのに、改めて見るとやっぱり背が高い。









それは同じ兄妹なのかなって思うほど。









「…どうしたの」









スビン「なんかあったんじゃないかなって」










「だから何もないって言ってるんじゃん、しつこいなあ」









スビン「…でも最近ヨンジュンくんの話、全然聞いてないけど?」









スビン「あなたのヨンジュンくんの話、結構面白かったのになあ。笑」









口角を上げてニヤニヤするスビン。










「…そんな変な話してたっけ」










「それに、ヨンジュンのことじゃないし」










「スビンも早k」









スビンの手が伸びて、私の髪を耳にかける。









ゆっくりと、優しく。









スビン「僕の心配はしなくていいから」









スビン「ヨンジュンくんとなんかあったら言ってよね」








笑窪を浮かばせながら微笑むスビン。









でも、その目はなぜか悲しそうだった。











スビン「…おっと!」









スビン「早くご飯の準備しなくちゃ」









スビン「主食はパンね〜」









そう言い残してスビンはさっさと部屋を出ていった。









スビンがかけてくれた髪をそっと撫でる。









「ヨンジュンくんとなんかあったら僕に言ってよね」…か。













スビンらしくない、かっこいい言葉だなあ。












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