ヨンジュンはなんでも食べるし、アイスも喜ぶだろう。
さて、あとは返信を待つのみだ。
ベッドに仰向けになるやいなや、ドアの向こうから声が聞こえた。
スビン「あなた〜」
スビン「今日のご飯どうする?」
私たちの両親は仕事で忙しく、私たちだけで夜ご飯を済ませることが多い。
「冷蔵庫にあるものだけでいいんじゃない?」
「パン以外で」
スビン「えっ…!パンだめなの?」
「だって私は米の方が好きだし。」
スビン「そっかぁ…」
そんなにガッカリしなくても。
スビン「…部屋入っていい?」
「いきなりどうしたの」
私の了承を得ずに勝手にスビンは部屋に入ってくる。
毎日見てるのに、改めて見るとやっぱり背が高い。
それは同じ兄妹なのかなって思うほど。
「…どうしたの」
スビン「なんかあったんじゃないかなって」
「だから何もないって言ってるんじゃん、しつこいなあ」
スビン「…でも最近ヨンジュンくんの話、全然聞いてないけど?」
スビン「あなたのヨンジュンくんの話、結構面白かったのになあ。笑」
口角を上げてニヤニヤするスビン。
「…そんな変な話してたっけ」
「それに、ヨンジュンのことじゃないし」
「スビンも早k」
スビンの手が伸びて、私の髪を耳にかける。
ゆっくりと、優しく。
スビン「僕の心配はしなくていいから」
スビン「ヨンジュンくんとなんかあったら言ってよね」
笑窪を浮かばせながら微笑むスビン。
でも、その目はなぜか悲しそうだった。
スビン「…おっと!」
スビン「早くご飯の準備しなくちゃ」
スビン「主食はパンね〜」
そう言い残してスビンはさっさと部屋を出ていった。
スビンがかけてくれた髪をそっと撫でる。
「ヨンジュンくんとなんかあったら僕に言ってよね」…か。
スビンらしくない、かっこいい言葉だなあ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。