no side .
マフィアグループ二大勢力の会談の中盤、
加賀美が資料を取りに行ったついでに
風楽は広いVACHSSの拠点を1人歩いていた。
風楽が以前から交流のあったVACHSSメンバーは
ただ1人、幼い頃にあった首領のみ。
現在VACHSSは 幹部、構成員を合わせると9人で、
マフィアの中でいえば小規模なのだが、
VOLTACTIONよりは規模の大きい組織でもある。
構成員にはあの会談で首領に付き添っていた、
"白い髪をひとつに括った赤目の少女"と
"左右の髪色が白と黒に分かれている少女"も
果たして含まれているのだろうか?
会談をしていた客間の扉の側にいた
中背に黒髪、ガーネットの様な深い赤色の瞳。
風楽が"右腕"の正体に勘づいた。
刹那、どこからか鋭いナイフが飛んできた。
しかし風楽は"南の最恐マフィア"である。
奇襲ではあったがそれを回避してみせた。
風楽から"××"と呼ばれた男は
此方へゆっくりと、けれど少し笑いを含みながら
狂気に満ちたその表情で歩み寄ってきた。
"お互い和解した"と側から見ればそう思う。
が、2人の瞳は依然冷たいままであった。
重い沈黙のあと夢追が口を開く。
「ウチの首領が組員の紹介をしたいから
改めて客間に来て欲しいって言ってたよ 」と。
______そう言葉を交わした後
風楽に向けて投げたナイフを回収し、
不穏な空気を纏う彼は闇へと姿を眩ましていった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!