セカイの舞台に立つオレの耳に、微かな声が届いた。
最初は風の音だと思った。
けれどよく耳を澄ませると、それは懐かしい声だった。
オレがそう呟くと、紙吹雪が一片、頬に触れて消えた。
涙のように、温かく。
次の瞬間、別の声が重なる。
その声は怒っているようで、
でも震えていた。
司は胸を押さえ、込み上げる感情に目を閉じた。
その名を呼んだ瞬間、
舞台の照明が強く灯り、
司の姿を照らした。
彼の胸に溢れる感情は、
悲しみでも後悔でもなかった。
それは――
大切な仲間に愛されているという確信。
涙が頬を伝う。
けれど、その顔には笑顔があった。
オレの声が響いた瞬間、
舞台に新たな幕がゆっくりと上がっていった。












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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。