第9話

舞台
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2025/10/09 11:43 更新




セカイの舞台に立つオレの耳に、微かな声が届いた。





最初は風の音だと思った。
けれどよく耳を澄ませると、それは懐かしい声だった。
鳳えむ
鳳えむ
司くん……みんなを笑顔にするって、約束したでしょ?




天馬司
天馬司
えむ?







オレがそう呟くと、紙吹雪が一片、頬に触れて消えた。




涙のように、温かく。
次の瞬間、別の声が重なる。
草薙寧々
草薙寧々
……勝手にいなくなって……バカ……






天馬司
天馬司
寧々っ…!








その声は怒っているようで、

でも震えていた。



司は胸を押さえ、込み上げる感情に目を閉じた。




神代類
神代類
君がいなければ…僕のショーは____






天馬司
天馬司
っ!!類っ!!
その名を呼んだ瞬間、


舞台の照明が強く灯り、


司の姿を照らした。


彼の胸に溢れる感情は、

悲しみでも後悔でもなかった。


それは――



大切な仲間に愛されているという確信。
天馬司
天馬司
……そうか。みんな、オレを……


涙が頬を伝う。


けれど、その顔には笑顔があった。


天馬司
天馬司
よし! ならばこのセカイでも――最高のショーを始めよう!



オレの声が響いた瞬間、




舞台に新たな幕がゆっくりと上がっていった。

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