第23話

23🕯⟡.·
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2026/02/04 13:43 更新


【あなた side】


サンウォンの家は、モデルルームみたいに綺麗だ。


塵ひとつ落ちていないフローリング。色ごとに並べられた本棚。

潔癖症気味の彼らしい空間だけど、私にとっては少し落ち着かない場所でもある。



(なまえ)
あなた
サンウォン、充電器借りていい?
サンウォン
サンウォン
ん、いいよ。寝室の引き出しに入ってる


キッチンで夕食(今日は参鶏湯を作ってくれている)の準備をしているサンウォンが答えた。


私は寝室に向かう。

ベッドサイドのキャビネット。

一番上の引き出しを開けると、確かに充電器があった。


けれど、私の目はその奥にある「異質なもの」に釘付けになった。


(なまえ)
あなた
……なにこれ?



それは、厳重に真空パックされた、一枚の白いワイシャツだった。


まるで高級なものを保存するかのように、空気が完全に抜かれ、カチカチに固められている。


そして、その胸の部分には、茶色く変色した、不気味な手形のようなシミがついていた。




(なまえ)
あなた
うわっ、汚なっ……!


思わず声が出た。


あんなに綺麗好きなサンウォンが、どうしてこんなゴミみたいなシャツを大事にしまっているんだろう?


カビ? それとも、まさか血痕……?

サスペンスドラマの見過ぎかもしれないけど、背筋がゾワッとする。


ガチャリと背後でドアが開く音がした。




サンウォン
サンウォン
……あなた? 充電器あった?
(なまえ)
あなた
あ、うん。あったんだけど……ねえサンウォン、これ何?


私が真空パックされたシャツを持ち上げると、サンウォンの表情が凍りついた。

そして次の瞬間、彼は音もなく距離を詰め、私の手からシャツをひったくった。


サンウォン
サンウォン
……触っちゃだめ
(なまえ)
あなた
えっ
サンウォン
サンウォン
これは……紫外線にも酸素にも触れさせたくないんだ。劣化しちゃうから



彼はシャツを宝物のように抱きしめている。


その目は真剣そのもので、冗談を言っているようには見えない。








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