自分は泣かせたかった
あいつの泣き顔を見たかった
あいつは、赤ちゃんみたいにわんわん泣いて
抱っこしないと泣き止まないそんな奴だった。
俺の膝の上に躊躇なく乗って
そのやり方は俺が思春期になっても変わらないままで。
俺があやしてくれるのを静かに待ってる
そうやって女みてぇな泣き方して…
俺の後ろに立って首にギューって抱きついてる夕
そもそも俺は今、椅子に座ってる
そうここは、2年生の教室
トタタッ…
そういっていつもの如く友達を追い払うんだ
夕を"ただの弟"とは思っていないからだよ?
だからこんな行動とってるんだよ
だからさ夕…
お願い
XXXしよ?
学校も終わって部活動、もちろん部活でも夕が近くにいる
俺はバスケ部キャプテン、やっぱり背が高いので一目置かれててキャプテンに抜擢されたけど中々部員をまとめるのが大変。
30人くらいいる中の輪の中からすぐ夕を見つけた、今の季節は秋始まったくらいだけど夕は極端に寒がりなのでジャージ上下着ている、ちなみに萌え袖。
もっといえばそれは俺のジャージ
よく間違えて着ているようだ、だがまずもってサイズから違うから何でだろってなるけど毎度の事だからもう気にしていないし、なんなら夕の残り香が服に着くからそれはそれで俺のご褒美みたいなもんかも
自分、キモイな…
チームはわざと夕と自分をチーム別にした
別にした事を発表すると案の定分かりやすく拗ねて少し不貞腐れている。
チーム別に別れる瞬間、みんな立ち上がりそれぞれチームで別れ始めた。
いつのまに後ろに来たのか、、
俺の服の裾をキュッと掴んで小さい声でボソッといってきた
俺らはインターハイという舞台で1位を取る事を前提にしている。
いくら可愛い弟でもそれはキャプテンとして許さない
最後まで言わない代わりに俺の腰に1分くらいギューって抱きつく。
猫みたいで、分かりやすくて可愛いい
チーム別の作戦もしていざ練習に入る。
部活をしている時の夕は、前髪をいつもちょんまげ風にしてる、何でそんなするんだ?と昔聞いたことがある。
返ってきた言葉は『こうしたら兄ちゃんがよく見えるから』らしくて不覚にもキュンってした。
ほら今日もおでこが見えてる、つやつやなおでこ
背が小さくてもそれをあえて武器にして、ちょこまかと動き回りジャンプ力も高く、ジャンプした際にチラリズムするみだらな腹筋から普段も筋トレを欠かさずやっているのがよく伝わる。
見すぎ…てしまう…こうやってベンチに座っていたら
ゴール決めたら真っ先に他の奴らとハイタッチしたり、頭ぽんぽんされて嬉しそうにはにかんでるの、少しクソッッ…ってなる…きっと俺は心が狭い…
それを夕には知られたくない
夕はその後すぐに俺の方に視線を向けて、目が細くなるまで笑う
うん、好き
その笑顔で世界も救えるってそのくらい思うから、実にファンタジーなブラコンである。
部活も終わり、自宅までの道のり
よく聞き取れなくて夕を見つめたら既にこっち向いてて、思わず目線を逸らした。
この甘い誘い受けが例え無自覚だとしても、俺には耐えられない
可愛すぎてたまらない
え?
ムスッとしてたけど、ほっぺも膨らまして分かりやすい態度取ってたけど…仕方ないんだ
きっとその"お友達"とやらは夕の足も腕も色気があり、濃蜜でしたたかで…可愛らしいのを知ってて、わざとメイド服を着させて…"自分たちが"楽しむ気だ
そんな風にされると思っていないであろう夕にとってはただ友達との予定をドタキャンする事になるのだから寂しいだろうな。
でも大切な夕をそんな風な扱いして欲しくないんだ
そうして月日は流れ…ハロウィン当日になった
たまたま学校もおやすみの日曜日。
バタバタバタ…
部屋をノックされ開けてみたら、そこにはメイド服姿の夕が…
思わず自分の部屋に招き入れた、その細い手首を掴んだままで。
手首を掴んでた手、自然と強く握っていたみたいで…すぐに緩めながら離した。
ブンブン、首を横に振る
カチューシャまで付けて、肌がそんな見え隠れするなんて…良かったこんなの他の奴らに見せたら夕は…きっと…
いつもよりも頬が赤らめている弟
部屋には2人きり
ちなみに親は今不在中
絶好のチャンス
俺が?
"恥ずかしい"とか声に出すから俺まで硬直してしまった
今俺何しようとした?
自分の両手は、夕のメイド服のボタンを2、3個外していた、いとも簡単に夕の肩があらわになった。
舌が回らない
はだけただけなのに、夕の肩なんて…チラッと見えた胸なんて…そんな事で動揺してるなんて…
目が合わせられない
俺…今の状態やばい…
下半身がドクドクと脈打ってんのが伝わってきて、夕に背を向けた
どんどん反応している、俺のアレ
静まることない…きっと…欲を吐き出したい
夕…お願い…早く出てって
弟は小さい
あまりにも小さい
俺の背中にギューって抱きついてきた
背中越しに温もりが感じてきて、それだけで愛おしい
夕はたった16年しかまだ生きてない
その16年の間でただ夕の中の1番が俺だっただけ
産まれた時から今まで俺しか視界に見えてなかっただけだ。
声が涙声に変わっていた
泣くのをグッと堪えている
そんな気がした。
"これからも好きでいていいですか?"
これまで数回…言われてきたセリフ。
好きでいてくれるって事は、俺がその人の心の中心に居続けるって事。
その人をいつまでも自由には出来ないって事。
咄嗟に出た言葉、嘘
強く抱きしめられていた手が腰からいなくなる
いつかはこうやってトドメを刺さないとって思っていたから丁度いい機会だった。
うん
これでいいんだ
夕が何も言わずに出ていったドアの閉まる音を聞いた瞬間、膝からガクンッと崩れ落ちた。
頬には涙が滴り落ちてくるし、、もう戻れない
あれから2ヶ月近くたった、家族の前では普段通りを頑張って装っているけど、学校や部活、登下校もお互い違う友達と過ごすことが多くなった。
これでいいんだを心の中で何回唱えたんだろう
今でも家で夕とすれ違う度に胸が締め付けられるよ。
……てか今日は確かになんか…ダルいなぁ
朦朧とした意識の中、怜芽に付き添ってもらい保健室に着いた。
着いた途端そこからはあまり記憶が無い
目が覚めた…
俺はあれから寝ていたのか…
いまだに咳き込んだ俺の背中をトントンと優しく叩いて抱きしめてくれた。
久しぶりの夕の温もりが居心地良くて、、
俺まだ熱あるみたいだ
夕を抱き上げて俺の上に跨がせた。
もっと…なんか…吸収したいというか
なんか…もっと…近くに
熱で身体がまだ籠っていて、自分の口がなんて言ってるのかさえも…ぼんやりしか覚えれない
ただ。なんだか。
今は抱きしめているって事だけは分かる。
それだけはなんか分かって、顔がふにゃって喜んでしまう
今嬉しいんだ自分…きっと
いつのまに家に帰ってる?
ここは俺の部屋だ
俺の手をギュッて繋いでくれてる夕が視界に入って思わず後ずさりする
なんか気まずい
熱で身体が火照ってどうしようもなくて…夕と何話したんだっけ?
その時脳裏をかすめてくる自分の声
"夕…の"恋人"になりたかった…なりたかったよ夕…"
夕が両手で俺の胸ぐらを掴んできた
夕の目がうるっとしてて、俺の大好きな泣きそうな顔///
グイッ…
ずっとしたかった
夕の唇を俺のものに
キスしてから2時間後
いつかそのお預けのXXX
できたらいいな…♡♡
END
今回の小説で特に気をつけたのは、言葉選びを大切にしました。
いつもとは違った感じの作風に仕上げたつもりですけど伝わったかな?🥹
とにかく宇佐美さんは、感情が鈍い・愛情表現苦手・時々支配欲出る・熱出たら自分の欲は丸裸みたいなのを性格にしました笑
夕くんは、とにかく可愛い・小さい・愛情表現多い・兄ちゃん溺愛・少し誘い受けかます・人見知り発動ありにしました。
小説書く時こうやってこと細く考えるのを大切に書いてます🙂↕️久しぶりに長編楽しかった笑
ハロウィン過ぎちゃったことは、申し訳ない💦すみません。
候補はメイド服以外にも沢山ありましたが、夕くんに着せるなら…を大前提に考えた結果そこまでエロさはないけど、足はめっちゃ見えるので、そんでもってボタン付きだと脱がせやすいかもな…とかそんな事でメイド服にしました。
ちなみにメイド服 コスプレと検索して何度も画像を見てこうする?あーする?と想像膨らませました笑
沢山見てくれたら嬉しいです。
あ、ここだけの話。
宇佐美さん、メイド服姿の夕くんの事本気で可愛いって思ってたそうです
ほなまた✋












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。