森の奥の方は案外綺麗なもので
一つ、家が建っていた
自由にのびのびと動く動物たちや
街の方じゃ見られない奇麗な生花
そんな、〝奇麗なもの〟であふれている
1人の青年が、少女の名前を呼ぶ
よばれた少女は青年、クロノアの声に耳を傾ける
そう言って駆け寄る青年の手には
キラキラとひかりに照らされるガラス細工が持たれていた
そう言いながらガラス細工をあなたのカタカナによく見せる
そんなクロノアの頭を優しくなでる
そう言って背の低い可愛らしい男の子が現れる
木実がたくさん入ったかごを両手で抱えた青年が二人歩いてくる
ふふと、少女は微笑む
みんなが笑顔で笑っていられる
それは平和としかいいようがないもの
いつも通りが続けばいい
大昔からこの森は危険とされてきた
呪いがかかっているらしい
作り話にすぎないが本当に人が帰ってこなかったんだとか
ここは綺麗だって
言ってもきっと誰も信じないようなこと
それが当たり前なこと
それは誰もが知ってる
ハグレモノしか知らない世界
何よりも生を感じる世界
きっと馬鹿にされてきたものの特権だろう
この日々が平和で、ずっと続いたらいいのにって
叶わなくてもいいから願ってしまう
それに、彼らを見ていると笑みがこぼれる
…ずっと、続けばいいんだ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!