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第11話

第3&4乗客 最終話 2人が離れても
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2025/05/17 22:00 更新
この終点には2つの降り口が存在する
現世とあの世
それぞれ、どこへ行くのかを理解しているので
迷うことはない
原基 犬田
ここでお別れか…
詩野 勇人
お父さん…!!
詩野 勇人
僕…絶対にあの世でやり直してお父さんのもとへ帰るから
原基 犬田
あぁ、待ってるさ
いつまでもな
ふたりは強く、強く、互いを抱きしめあった
その二人を見た私は口から声が漏れてしまった
彼岸 燈子
ふたりが離れても…
幸せな未来がありますように
島波 華
優しいですね
彼岸 燈子
そうですか?
島波 華
いつも通り、です
島波 華
さぁ、お見送りしましょうか
詩野 勇人
僕はこっち
原基 犬田
私はあっちだ
2人は背中合わせになり
最後に一言、こう交わして別れた
「またね」

離れていく2人の背中はどちらも未来を覚悟した人の強い背中だった
島波 華
今回も、ありがとうございました
彼岸 燈子
私の方こそ、いいもの見せてもらいましたよ
島波 華
それなら良かったです
島波 華
乗客だいぶ減りましたね
彼岸 燈子
もう一踏ん張りか
島波 華
お願いします
また、一つ。
私の中の、空洞を埋めるような感覚だった
私の心が満たされるときは来るのだろうか。
そんなの今はわからない
未来の自分しか知らない
その未来に繋げられるのは今の自分だけ
今を精一杯頑張ろう
またもや、汽笛が鳴り次の旅が始まった
ここからは少し番外編
あの親子の話をしましょうか 
未来の約束を交わした2人の話
あれから現世に帰り、
病院で治療を受けた
だが…治療代はない
そんな矢先、そこの医師が言ってくれた
実家で働いてくれないか?と
その医師の実家はとある大企業
そこの幹部として来てほしいというものだった
その企業では人々を幸せにするため
日々日々、会議、発明の繰り返し

でも…人のためにやれるのがうれしかったんだ
それから同じ職場の人と結婚して子供を授かった

その子供が少し育ったある日、口にしたんだ
「約束」って
きっと覚えた言葉を言いたかっただけなんだろう
でも、あの約束をしたからにはこう思いたかった
帰ってきてくれたんだ、と
前よりも、いい環境で2人は再会した
だが、傲慢になることはなく
後に世界的賞に、受賞されるほどの
親子となった
世界の、平和に貢献したものに贈られる賞を

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