第12話

第5乗客 第一話 空と海の繋がりを
8
2026/04/09 19:15 更新
突風で落ちたとき、記憶が少しだけ戻った
前にもこのような旅をした
そんな気がする
でも、ここに来る前の記憶は戻らない
きっとお手伝い記憶を辿る旅を続ければいつかは……
彩 瑠夏
おーい、聞こえてますかー?
彼岸 燈子
ごめんなさい、聞いてませんでした
ここ最近はこんなふうにぼ~っとして人の話を
聞かないことが多くなっている
彩 瑠夏
もう一回言うね?
彼岸 燈子
お願いします
彩 瑠夏
私のお手伝いをしてほしいの
彼岸 燈子
もちろんお手伝いしますよ
彩 瑠夏
ありがとう
そう感謝を言うとニコッと笑った
彩 瑠夏
いい人でよかった
彼岸 燈子
え…?
彩 瑠夏
あっ、ごめんなさい
彩 瑠夏
私、何言ってるんだろう?
彼岸 燈子
大丈夫ですよ
記憶を思い出せば意味がわかるかもですし
私は元気で、少しだけさみしげなイルカのお姉さんのお手伝いをすることにした
ここで次の駅に着く様子だった
島波 華
次は海中空上うみなかくうじょう駅となります
彼岸 燈子
あ…えーと…
彩 瑠夏
私は彩瑠夏。瑠夏でいーよっ
彼岸 燈子
瑠夏さん、この駅に記憶の欠片があるかもしれないですよ
彩 瑠夏
だね!いこいこっ
瑠夏さんは私の腕を引っ張って電車を降りた
その駅の光景はまさに名前の通り
水の塊のなかにこの駅があり、それが空に浮いてるような駅だった
彼岸 燈子
どんなふうに見えてます?
彩 瑠夏
ここ…すごいね!きれい
水なのに空に浮いてる!
大きい違いはなさそうだった
そして…目の前には
彼岸 燈子
あの水族館行ってみませんか?
彩 瑠夏
水中水族館…?なにそれー、笑
彩 瑠夏
行ってみよ
どこか寂しそうな顔をしていた
中に入るとそこは異世界のようだった
とても美しくも儚い水族館特有の雰囲気を強調したような何とも言えない気持ちになる空間
彩 瑠夏
すご…
彩 瑠夏
あれ…なんで泣いてんだろ…
瑠夏さんは涙を流していた
彼岸 燈子
別行動します?
彩 瑠夏
いいかな…ごめんね
彩 瑠夏
またあとでね!
そう言うと走って何処かへ行ってしまった
彼岸 燈子
儚いな…
この空間に出た言葉だった
彼岸 燈子
この儚さ…努力みたいだよ…
少し前のバレエの親子のことを思い出していた
彼岸 燈子
私にも…感動的な結末が待ってるのかな…
そんなことをつぶやきながら進んでいくととても美しい場所に着いた
そこは空と海が混ざりあって一つになり…繋がっているみたいだった
彩 瑠夏
あ、おねーさん
混ざり合う中心にいたイルカはこちらを見て笑顔で手を振っている
彼岸 燈子
綺麗だね
彩 瑠夏
やっと敬語外してくれた!
意識してるつもりはなかったけど喜んでるならそれもいいかな
彼岸 燈子
外してみちゃった
彩 瑠夏
いいと思うよ!
彩 瑠夏
あれ…おねーさん…
彼岸 燈子
どうしたの?
彩 瑠夏
猫ちゃん…?
彩 瑠夏
おねーさんは猫ちゃんなの?

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