突風で落ちたとき、記憶が少しだけ戻った
前にもこのような旅をした
そんな気がする
でも、ここに来る前の記憶は戻らない
きっとお手伝いを続ければいつかは……
ここ最近はこんなふうにぼ~っとして人の話を
聞かないことが多くなっている
そう感謝を言うとニコッと笑った
私は元気で、少しだけさみしげなイルカのお姉さんのお手伝いをすることにした
ここで次の駅に着く様子だった
瑠夏さんは私の腕を引っ張って電車を降りた
その駅の光景はまさに名前の通り
水の塊のなかにこの駅があり、それが空に浮いてるような駅だった
大きい違いはなさそうだった
そして…目の前には
どこか寂しそうな顔をしていた
中に入るとそこは異世界のようだった
とても美しくも儚い水族館特有の雰囲気を強調したような何とも言えない気持ちになる空間
瑠夏さんは涙を流していた
そう言うと走って何処かへ行ってしまった
この空間に出た言葉だった
少し前のバレエの親子のことを思い出していた
そんなことをつぶやきながら進んでいくととても美しい場所に着いた
そこは空と海が混ざりあって一つになり…繋がっているみたいだった
混ざり合う中心にいたイルカはこちらを見て笑顔で手を振っている
意識してるつもりはなかったけど喜んでるならそれもいいかな












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!