第8話

第3乗客 第二話 黒い何か
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2025/05/15 04:00 更新
彼岸 燈子
原基さん、亀を見て泣いてた
彼岸 燈子
そんなことより、
私も記憶のピースを探さなきゃ
私に見えるこの空間はとても閉塞的。
誰からも見つからない。
そんな感じがするな
彼岸 燈子
はぁ、だめだ
大きなため息を吐いて次に新鮮な空気を体内に取り込んだ
その時違和感を覚えたのだ
彼岸 燈子
おかしい…この臭い…
燃料の匂いがする
駅の方から流れてくる匂いに、私は危険を察知して向かった
急いで駅に戻ると列車は破損している
どころか、火があがっている
彼岸 燈子
何が…
島波 華
そ、それが…急に真っ黒な何者かにここを襲われ…
島波 華
急いでここを脱出します
原基さんだけがいないんです…
場所を知ってますか?
彼岸 燈子
知ってます
急いで連れてきますね
さっきのウミガメの場所まで急いで戻ると
辺りは水浸しになっていた
彼岸 燈子
え?
彼岸 燈子
水面の上昇…!!
急がなきゃ
彼岸 燈子
原基さん!!
原基 犬田
ここだよー!!
海の上に取り残された小島にいる
なんとかそこまで泳ぐことは可能だけど…
そうだ!!
特性を生かさせてもらおう
彼岸 燈子
今、助けます
泳いで沈みかけの小島へと向かう
危うくも何とかたどり着いた
彼岸 燈子
原基さんも強くイメージしてください
ここには登りやすい坂があると
原基 犬田
え?う、うん
二人は強くイメージを始めた

そうすると例のごとく坂は現れた
原基 犬田
ど、どうして
彼岸 燈子
説明は後です
行きましょう
そう言って小さな手を引き、坂道を登った
坂の上は風が強い
もし、突風でも吹かれたらひとたまりもない
彼岸 燈子
慎重に行きますよ
慎重に慎重に駅までの道のりを半分くらいまでついた頃に
駅は見えた
黒い何かが列車に張り付いているのが見える
彼岸 燈子
急がなきゃ
一瞬の隙だった
原基 犬田
危ない!!!
原基さんの声だけが聞こえた時にはもう…
突風に体を押され崖から転落していた
彼岸 燈子
恐怖で声も出ない
視界が真っ暗になる
何も見えない、聞こえない、感じない
何も…ない
そこは闇が広がる 
暗い、深い、腐海
腐っている海
これが意味するもの…?
そんなのわからない
この場所には闇と広がる腐海しかない
急に世界に光が差し込み、目が眩む
やっと目が慣れてきたことろには
原基 犬田
大丈夫!?
彼岸 燈子
うぅ…
原基 犬田
目が覚めました!!
島波 華
あぁ、良かった
彼岸 燈子
ここ…は?
島波 華
列車の中です
島波 華
お客様が必死に運んできてくださいましたので
応急処置は出来ました
彼岸 燈子
は、って?
島波 華
はい、頭に大きな損傷を受けた可能性があります
彼岸 燈子
島波 華
体で不自由なところがもしもありましたらいつでもお伝え下さい
彼岸 燈子
わかりました
きっと変な夢も頭をぶつけたせい
原基 犬田
守れなくてごめん…
彼岸 燈子
いえいえ、お構いなく
彼岸 燈子
それより、何か思い出しました?
原基 犬田
はい、なんとなくですが
原基 犬田
全ての答え合わせをしたほうが面白くないですか?
彼岸 燈子
それもそうですね
では、ヒントをください
原基 犬田
ウミガメのスープ
彼岸 燈子
えっ…
原基 犬田
ふふ、意味は考えてみてくださいね

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