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第8話

察知
201
2025/03/24 07:52 更新
〔zm視点〕


zm「順番もうすぐやなー」

俺がそう言っても、トントンとエーミールはコソコソ何か
話していて全然こっちを見てくれない

耐えきれずに近くにいたトントンの肩を思いっきり
引っ張ってみると、ようやくこっちを向いてくれた

勢い余って俺の胸の中に飛び込んだ彼はあったかい

tn「え、ゾム!?どしたん…?」

zm「お前らが全然かまってくれへんからやん!」

zm「……せっかくなんなし3人で話そうや…」

em「ご、ごめんなさい!そんなつもりはなかったんです」

tn「すまんかった……ゾムもわかる楽しい話しよか」

優しい二人はすぐにこっちを向き、同時に微笑んだ

tn「ゾムはなんでこれ乗りたいん?」

指をさした先は今並んでいるコーヒーカップ

zm「そんなん楽しいからに決まってるやん!」

zm「あと勢い良く回したらエミさんのヅラ飛んでいきそう」

em「ヅラじゃないですけど?」

tn「お、ええなそれ!俺も手伝うわ」

em「ヅラじゃないですけど!?」

そんな会話をしていると、俺らの番が回ってきたらしい

係のお兄さんが手招きで案内してくれる

対面のエーミールはなぜか緊張した面持ちだ

コイツほんまに飛んでいくとでも思ってんのか…?

zm「よーしトントン、いくで!」

tn「おん!」

軽快な曲とともに回り始めるコーヒーカップ

二人で息を合わせて回しているといつの間にかものすごい
スピードになっており、エミさんはもうフラフラだ

隣を盗み見るとそんなエミさんを見て爆笑しているトントン

……さっきから元気なかった気ぃするからなんか安心したな

俺も釣られて笑いながら回していると、軽快な音楽が徐々に小さくなっていく

動きも音楽も止まった頃には、皆疲れて荒い息を零していた

俺ももう歳やなぁ……

なんて一人黄昏ていると、トントンに手首を掴まれた

そのままスッと外に連れて行かれ、急かされていたことに
ようやく気づく

zm「す、すまん、ありがと」

tn「おう」

まだ熱い手首を見ていて置いていかれそうになったのは
また別の話
〔em視点〕


em「…すみません、トイレ行ってきますね」

アトラクションがようやく終わり、事前にトントンさんと
話した通り素早くその場を立ち去る

ゾムさんはトントンさんの指さしたクレープに夢中なようで全然気づいていないみたいだ

そのままトイレのほうへ歩くフリをして、ささっと脇の道へ入る

……よし、これでトントンさんとゾムさんで二人きりやな!

流石にもうくっつくやろ、見てるこっちももどかしかったしお似合いのカップルだ

満足気になって歩いていると、ある重大なことに気づいて
しまった

…俺皆さんの場所全然知らん!

流石に30半ばのおっさんが迷子なんて笑えない

とりあえず誰かに連絡をしようとスマホを持つと、後ろの
ほうから声が聞こえた

syp「あ、エミさんやん」

ci「え?」

振り向くと、少し目を見開いて立っている後輩2人

em「ど、どうも…?」

ci「どうもじゃなくて、なんで一人なん?」

syp「もしかしてハブられたんかw?」

ケラケラと笑い出す二人にムッとして事情を話すと、また
驚いたような顔をされた

syp「お前がそんな高度なことをできるとは……」

ci「ちょっと見直したかもしれへんわ」

em「私そんな無能やと思われとったん?」

syp「知らずに笑ってすません」

em「いや別にええけど」

事情もわかってくれたし、この二人と回ればええか

自然な流れでチーノくんの隣に並びついて行こうとする…と

ci「え、エミさんも一緒に回るん?」

em「…あ、ダメでした?」

ci「ダメっていうか…」

疎ましそうな声で言葉を濁され、純粋に嫌われているのではないかと心配になる

そこでずっと黙っていたショッピくんが口を開いた

syp「チーノ、なんでダメなん?」

syp「エミさんだってあの二人を思ってやったことなんやし、三人で回ろうや」

珍しく私の味方をしてくれて少し心が温かくなるが、
チーノくんは不服そうな顔のままだった

そのとき彼が持っているバッグの隙間から花束が見え、
頭の中で点と点が繋がったような気がした

em「…すみませんお邪魔みたいなので、別のところ行きますね」

syp「え…ちょ、エミさん!」

いやぁ、チーノくんも中々やるなぁ……

ショッピくんの声を聞き流しながら、ロボロさんに連絡を
する

要するに、今日チーノくんはショッピくんに告白でも
するのだろう

たしかに二人きりやないとムードないもんなぁ……

最初から二人で回っていたのも頷ける

無事ロボロさんにジェットコースターの近くと返信がきたようだ

後輩たちへの微笑ましい気持ちを馳せながら、案外遠くないその場所へと向かった
〔主の呟き〕


emがめっちゃ察せる人になってる……(感動?)


読んて頂き、ありがとうございました!

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