寝室を包む静寂の中、晶哉がそっと私の髪を撫でてくれた。
大きな身体で後ろから私を抱きしめ、腕の中にすっぽりと閉じ込める。
さっきまで獣みたいに激しく私を求めていたとは思えないほど、今の彼のタッチは優しくて、まるで甘えん坊の大型犬そのものだ。
晶哉は私の首筋に顔を埋め、クンクンと甘えるように鼻を寄せてくる。
彼の熱い吐息が皮膚に触れるたび、さっきまでの快感の余韻がじんわりと身体の奥で蘇って、小さく身体が震えた。
晶哉がいたずらっぽく笑いながら、私の腰をそっと撫で下ろす。
その指先が、ほんの少しだけ意地悪な軌道を描いた。
トロンとした、だけどどこか誇らしげな目で私を見つめる晶哉。
年下のワンコだと思って可愛がっていたはずなのに、ベッドの上では、される側になってもする側になっても、私を完全に翻弄してしまう。
晶哉はベッドの横の棚から、スマートフォンを取り出した。
画面には、居酒屋で使ったあのおもちゃの、さらに新しい機能のページが開かれている。
晶哉は私の唇に、ちゅ、と優しく、だけど独占欲を滲ませたキスを落とした。
関西弁の甘い囁きと、きゅるんとした仔犬のような瞳。その裏にある、底なしの執着心。
そう言ってニヤリと笑った"開発ワンコ"の瞳は、次のイタズラへの期待で、キラキラと妖しく輝いていた……。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。