第13話

Ω12 喉、乾いてない?
125
2026/04/28 15:05 更新









遥ちゃんはこの場所を、「山奥の地下室」と
言っていた。


だが、冷静に考えて山奥にある地下室が
ここまで綺麗に管理出来るものだろうか?


Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
…そういえば、遥ちゃんはここを
「買い取った」って言ってたよね
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
ということは、
元々の持ち主がいる…ってこと?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
こんな広いところを管理するなんて…
どんな人なんだろう?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
…というか
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
山奥に地下室なんて、そう簡単に作れる物でもないよね…?



もし作れたとして、地下室ならば
もう少し小汚くなってもおかしくはないはずだ。


なのに…なぜここまで、
綺麗に保てているのだろう?


なぜ…ここまで監禁するのに都合のいい場所が
あったのだろう?


Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
…まぁでも、
今考えててもしょうがないよね!
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
はやく、パスワードのヒントを
探さないと──!



…その時。


扉の方向とは反対の方向から、やけに響く足音が
近づいてきているのが分かった。


Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
……え、え…?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
(ここにいること…
バレたら大変だよね……!?)



…動悸が激しくなり、汗がダラダラと出てくる。


この状態で、遥ちゃんに見つかってしまえば…
なにも言い訳することはできないだろう。


そしたら、またわたしは──!


Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
(…隠れるとこ、隠れるとこ…!!)
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
(どこかに、ないの…!?)



わたしが隠れられるような場所を探すが、あまりにも開けた空間なせいでそんな場所は存在しない。


…そうしている内にも、足音はどんどん近くに
近づいてきている。


Ω .Kiritani_
Ω .Kiritani_
…みのり?どこに行こうとしてるの?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
あ……



…今は一番聞きたくなかった声が聞こえた。


足の震えが、止まらない。
もう、タイムリミットなんだ。


逃げるのは、間に合わなかった。


Ω .Kiritani_
Ω .Kiritani_
……みのり
Ω .Kiritani_
Ω .Kiritani_
答えて
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
………



わたしは、せめてもの悪足掻きにまるで
何もしようとしていなかったかのように取り繕う。


ひたすら…黙り込む。


ただ…この扉の前にいる時点で、
そんな悪足掻きは通用しない。


その事は、わたしも理解していた。


Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
…やっぱり、悪い子だね
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
その扉の奥…光が漏れてるから、
どこに繋がってるかは分かるでしょ?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
…知らないよ
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
…はぁ
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
もう隠しても無駄だよ?



遥ちゃんは、鋭い目つきで
わたしの事をじぃっと見てくる。


まるで…全てが見透かされてるような感覚だった。


Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
…みのりはさ
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
なんでわざわざ、
まぶしすぎる外に行こうとしてるの?
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
…堕ちようよ、2人でさ
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
私はもう…アイドルなんていらない
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
みのりと一緒にいたい
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
みのりと一緒なら…それだけでいいの
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
…………



遥ちゃんからの愛が、重い。


アイドルなんかより、わたし。


そう言ってもらえるのは
嬉しいようで全く嬉しくはなかった。


だって…それは、遥ちゃんが「夢を諦めちゃった」
ってことだから。


Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
…そういえば、みのり
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
喉、渇いてないかな?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
え……?



そう言うと遥ちゃんは、
コップ一杯の水をわたしに差し出してきた。


Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
遥ちゃん、なに、これ……?
Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
え?ただの水だよ



…遥ちゃんはそう言っているが、このタイミングで
水を差し出してくるなんて明らかに怪しい。


ただ、わたしが一歩後退りすると遥ちゃんは
確実にこちらへ距離を詰めてくる。


…逃げ場が、ない。


Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
ほら、喉渇くと良くないから…ね?
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
あ…ご、ごめ…!ごめ、なさ…!!
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
許して……!!



そんなわたしの悲痛な叫びも無視し、
遥ちゃんは私の口の中に強引に水を入れ込んだ。


Ω .Kiritani_?¿
Ω .Kiritani_?¿
……ふふ♪
Ω .Hanasato_
Ω .Hanasato_
あ……



そうしてわたしの意識は、
そこで途絶える事になるのだった…。





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