「君達…結人を誘拐しようとしているでしょ?」
「なぜそう思う?」
少し焦ったような声色で男は問いた
「君側の通路の奥。見にくいけど、ロープやスタンガン、猿轡、そしてワトスンノートが置いてある。最初の3つは誘拐の道具で最後のワトスンノート…これで結人を釣ろうとしてた?自分はネスト関係者だって言ってね」
「へぇ?」
男は片眉を上げ、続きを促した。
「それと…君達ハウス、どうやら裏社会と繋がりがあるようだ。」
「その情報をどこで?」
「秘密。…まあ、大方その道に詳しかった依頼人に聞いたってとこかな」
「素直に教えてくれると嬉しいんだが?」
「何で僕が君に話さないといけない?」
しばらくの沈黙と睨み合い
すると突然
「雷夏っ!危ないっ!!」
と恵吾の声とドサリと何かが倒れる音
くるりと振り返ると…
地面に倒れている恵吾とスタンガンを持ちながら仁王立ちしている男の姿があった。
「恵吾っ!!」
恵吾ならスタンガンを持った男1人くらい余裕で倒せるはずだ…けど、僕を庇うために、恵吾は…
男は恵吾を持ち上げ、こめかみに銃を突きつけた。
「大人しく言う事聞いてくれるよね?」
妙に優しい口調。苛立たしい。
けど、今は恵吾が最優先。
「…分かった」
僕なら大丈夫。隙を見て、恵吾と逃げよう。
もしかしたら結人が何か気付いて、
助けに来てくれるかもしれないから…
いくつかの希望を数えつつ、僕は男に着いて行った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。