私は恋に落ちた。
とても儚い初恋に...。
(中略)
私の余命宣告から始まった決して叶うことの無い恋。
治さんに出会って一番最初の目標は
「貴方に生きる理由を与える」ことだったのに
一緒に過ごしていく中でどんどん
膨らんでいくこの恋心のせいで
もっと一緒にいたいと欲を持ってしまった
愚かな私...。
嗚呼、どう足掻いてもあと数日しか生きられないのに
そんな気持ちにさせた貴方が憎い。
それと同時に、世界が色付くような恋を教えてくれた
貴方には誰よりも幸せになってほしい。
だから貴方には最高で最悪な呪いを...
「生きてほしい」という呪いをかけます。
死にたがり屋の貴方にはぴったりでしょう?
初恋の人よ、どうかお幸せに。
あなたが亡くなってから落ち着いて
もう一度9枚の原稿を読み終わると
太宰はゆっくり深呼吸をする。
そして...
と、泣きそうな声で呟いた。
その時太宰を励ますようにふわりと風が通った
それに応えるように
紺色の付箋に書かれた言葉をそっとなぞりながら
優しく微笑む太宰。
「あなた...。」
「付箋」
治さんへ
愛してます。
返事は数十年後に聞かせてください。
それまでゆっくり待っていますから。
出来ればお土産話も用意しておいて下さい。
田辺あなた
追伸
あのノートに書かれた未達成のものを
私の代わりに全部叶えてください。
それまでこっちに来たらだめですよ!!
体調不良(もしかしたらコロちゃん)なので
しばらく休みます...!!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!