第2話

琥珀の月の下
99
2025/07/24 23:00 更新
モブ
レイチェル。ここがあなたの部屋よ。
モブ
さ、入って。
レイ
レイ
───────コクッ
モブ
大人しくしてるのよ。
レイ
レイ
...はい
ガチャ
レイ
レイ
ザック……
レイ
レイ
私を殺してくれる……よね
レイ
レイ
約束。無駄にしたくないできることなら守りたい












































レイ
レイ
ザックはまだ、望んでくれている?
レイ
レイ
きっとザックは捕まって……
ドクドクドクドクドクドクドクドク
レイ
レイ
なぜか……こわい
レイ
レイ
大人しく……

















数日後
黄色い丸い月の夜
ガンッ、ガンッガンッ、ピシッ、ピシシッ、
ガンッガンッ、ガンッガンッ、パリッ、ガンッ
モブ
レイチェル?
レイ
レイ
……
レイ
レイ
…………ザック。
モブ
レイチェル、何をしているの!
モブ
レイチェル!?
モブ
止まりなさい!椅子を置いて!
モブ
手伝ってちょうだい!この子を止めるわよ!
レイ
レイ
……ザック
レイ
レイ
…!!
モブ
凄い抵抗……
レイ
レイ
ああぁ……ザック。
レイ
レイ
ザック…………殺……て
レイ
レイ
グズッ...ザック...
レイ
レイ
お願い……!
モブ
ザック……?あの、アイザック・フォスターの事?
モブ
混乱してるのね
モブ
レイチェル、落ち着いて。
モブ
もう何も、怯えることはないのよ
レイ
レイ
わぁぁぁ……ザック...ザック……
モブ
あっレイチェル起きたのね…
レイ
レイ
……。
モブ
レイチェル……?
レイ
レイ
             
モブ
何かを思い起こしてしまっているのね
モブ
きっとあの殺人鬼に誘拐された時の事……
モブ
レイチェル、これからこの部屋で過ごしなさい。
モブ
そうそう。明日の夕方、カウンセリングをする予定よ。
レイ
レイ
……はい
ガチャ
レイ
レイ
……ザック
レイ
レイ
約束
数ヶ月後
モブ
レイチェル、外の空気が気持ちいいわ。
モブ
あなたも外の風に当たってみたら?
レイ
レイ
はい
モブ
私はちょっと職員室に忘れ物があるから取りに行ってくるわね
レイ
レイ
なんの音?
……何かの、ニュース?
ニュースキャスター
ニュースキャスター
──────年───月───日
連続殺人───罪に問われ──────には───
職員室からテレビの音が聞こえてきた
レイ
レイ
レイ
レイ
消された

───あぁ……
モブ
ごめんなさい待たせたわね
レイ
レイ
はい
レイ
レイ
(いなくていいけど)
モブ
そうそう。今日は夜からカウンセリングをすることになってしまうわ。
モブ
新しく入ってきた患者さん、大変みたいよ。
モブ
でもレイチェル……、そうね、あなたはもうかなり落ち着いたように見えるわ
モブ
今日の散歩のこと、カウンセリングの先生に話しておくわ。とても調子が良さそうだと。
 
レイ
レイ
……えぇ、とても
レイ
レイ
(さっきのニュース、なんて言ってたんだろう)
モブ
───それで……レイチェル、
モブ
"心が落ち着かなくなることは?"
レイ
レイ
いいえ、別に
レイ
レイ
(ここは、あの日───ビルで目覚めた場所によく似ている)
レイ
レイ
(この部屋に来ると、決まってあの日、地下7階で目が醒めたことを思い出す)
モブ
じゃあ、
モブ
"最近はよく眠れている?"
レイ
レイ
……はい
モブ
……そう。では今日はここまでにしましょうか。
モブ
ごめんなさいね、夕方の予定だったのに、
カウンセリングが長引いた子がいて遅くなってしまったわね
レイ
レイ
いいえ
モブ
お部屋まで一緒に行きましょう
レイ
レイ
部屋には、一人で戻れます
モブ
……そういうわけにはいかないのよ、また問題を起こされてはごめんなさいね。困るのよ
モブ
さあレイチェル、行きましょう
レイ
レイ
……はい
レイ
レイ
(私のことを何もかも知って、わかったような気になって……)
レイ
レイ
(……黄色い月、ザックの瞳のよう)
モブ
あらぁ、今日はとても月がきれいだこと。
モブ
ねぇ、レイチェル。
ステキな夜よ
レイ
レイ
……ステキな夜
レイ
レイ
(そんな夜があるとしたら───それは、あの約束が、果たされる日の夜)
レイ
レイ
(……あれからどれくらいの月日が経ったのかわからない)
モブ
えぇ、こんな日は大人しくベッドに入るといいわ
モブ
いい夢が見られるわよ
モブ
さあ、行きましょう









モブ
レイチェル、どうしたの?
レイ
レイ
……
レイ
レイ
……いえ、なにも
モブ
……そう。ならいいの
レイ
レイ
……えぇ
モブ
……...レイチェル、
モブ
もしかして怖いのかしら……?
レイ
レイ
……え
モブ
あなたは、ここに来てから、ずいぶんとよくなったわ
モブ
……あなたとともにいた人───
モブ
───あの殺人鬼の事ばかり気にしていたころとは違う……
レイ
レイ
レイ
レイ
…….....
レイ
レイ
(ザックのこと……?)
モブ
……だから、そんなあなたを安心させるために教えてあげる
レイ
レイ
(嫌な予感がする)
モブ
……本当はいけないのだけど
レイ
レイ
(いや……聞きたくない)
ザック
ザック
"……俺がさっきお前にナイフをやったのは"
ザック
ザック
"お前が───俺に殺されるまで、生きろってことなんだよ"
モブ
……あの殺人鬼は





















モブ
───死刑が決まったのよ
レイ
レイ
…….....
レイ
レイ
…….........そう
レイ
レイ
…….....そうですか
モブ
……ええ、おどろいたでしょうけど、これで今夜も安心して眠れると思うの
レイ
レイ
……はい
モブ
……じゃあ、行きましょうね
モブ
おとなしくおやすみなさい。
───いいわね?
レイ
レイ
…….....
レイ
レイ
…….....
レイ
レイ
……本当は、ずっと夜は、眠れなかった
レイ
レイ
……心も、落ち着かなくて


レイ
レイ
……今夜も、寝られないはずだった





レイ
レイ
……でも、もう
目を閉じるしか、なくなったんだ
トサッ
ドンッドンッ
レイ
レイ
……?
レイ
レイ
この音……窓から……?
ドンッドンッドンッドンッ
レイ
レイ
…….........
ドンッドンッ
モブ
───なんの音なの!?レイチェル!!
レイ
レイ
……施設の人じゃない?
ドンッドンッドンッ
レイ
レイ
…….....だったら……っ
レイ
レイ
(この木箱を、こうやっ…て)
モブ
───レイチェル!?開けなさい!!
ドンッドンッガンッ
レイ
レイ
…….....
シャッガラガラッ(カーテン)
モブ
───レ、レイチェル!?
なにが起きてるの!?
モブ
───大変……...!
け、警察……警察を呼ばないと!
ドンッガンッガンッドンッガンッ
レイ
レイ
……...
.
───よけろ
レイ
レイ
サッ
ガンッガンッガンッガンッピシッピシシッ


















パリィイイィィィン









ヒュウウウウウウウウウウウウウ
ザック
ザック
───……よぉ
レイ
レイ
…….....ザック?
ザック
ザック
───あーあ、お前、また
つまんねぇ顔してやがんなぁ
レイ
レイ
……
レイ
レイ
……ザック、どうして……
ザック
ザック
あ?何がだよ
レイ
レイ
だって……
刑務所にいるんじゃ……
ザック
ザック
……んなもん、出てきて
やったに決まってんだろ!?
レイ
レイ
───……っ
レイ
レイ
でも、私、あの時……
レイ
レイ
誓いを……
背負って、もっていくって
ザック
ザック
……それがどうしたんだよ
ザック
ザック
つーか、勝手に持っていこうと
してんじゃねぇよ!
レイ
レイ
……ザック……
レイ
レイ
……じゃあ、まだ───
レイ
レイ
わたしのこと……殺したいって
思ってくれている……?
ザック
ザック
俺だぞ……?
ザック
ザック
"俺が、おれのほしいもん、逃がすわけねぇだろ!?"
レイ
レイ
……っ
ザック
ザック
……早くしろよ
ザック
ザック
───もう、あんまり時間は
ねぇんだからな



ザック
ザック
それとも、お前は……
忘れちまったのか?
レイ
レイ
───ううん、ザック






レイ
レイ
忘れてない、
忘れてなんていない……!
レイ
レイ
だって、誓ったもの───
レイ
レイ
───ザックと私、
二人で誓ったもの!
ザック
ザック
……おう








ウーーウーーウーーウーー
モブ
───はやく!!こっちよ!!
ザック
ザック
───来い!レイ!







レイ
レイ
うん……...っ、うん!
モブ
───いい!?みんなで押すのよ!
レイ
レイ
(あ、ナイフを忘れちゃった……)
レイ
レイ
(……いや、あれは、この時が来るまでのお守りみたいなもの……もういいんだ)





レイ
レイ
───ねぇ、ザック……























レイ
レイ
───私を、殺して───
ザック
ザック
───だったら、泣いてねぇで笑えよ










天使のようなまばゆい光とともに、
くらいくらい監獄のような場所から、
光の中へ───

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