第9話

劣等感(メアくん)
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2024/06/28 12:31 更新
褒められてるドリームを見る度に、僕の中にあるなにかが崩れていくのと同時に、途方もない飢えが湧き上がった。

どれだけ、どれだけ気付かないふりをしても、その飢えは収まることを知らなかった。

どんどん僕自身がなにかに蝕まれていく。

止まれない、止まりたくない、僕が1番なんだと、弟より出来ない兄なんて居ない。そんな感情だけが、僕を閉じ込めていく。何人もの人に認められたい、僕の中にはこれしか無かった、これだけしかなかった。1人だけじゃ足りない、2人、3人、もっともっとって強請っていく内に、いつの間にか、孤立していた。

誰も僕を認めてはくれない、認めてはくれなかった。誰も見てくれない。何方が優れていようと関係ない、立場がこうなのだから、やむを得ないのだ。


そう、仕方がない、仕方がない。




____仕方がない?

努力してきた何もかも、全部全部、仕方なくで片付けられる訳が無い。でも、どうしようも無いのだ、立場上、僕が認められる事はない。でも、でも、飢えを知った僕の体は止まれない、止まらないんだ。
時間が過ぎてゆくにつれどんどん大きくなっていく。苦しい、苦しかった。誰かに認められないのがこんなにも苦しいのか。

だから僕は、僕が、認められるためには、

ni「こうするしかないんだよ。」

"林檎を食べる"そうでもしないと僕は認められない。この世界じゃ僕は認められない。だから、だから僕は強くなって、違う世界に行って認めてもらうんだよ。僕はやれる、出来る子だ、弟より出来ない兄はいない、本にもそう書いてあった。

目から、背中から、身体中からとてつもない程の痛みを感じる。でもそれは、僕を認めてくれる為の1つの行動に過ぎない。あぁ、街中の皆が僕を見ている、その目には僕しか映っていない。前の僕を見てくれなかったのは悲しいが、いま、この状況に僕は酷く、興奮している。

ni「ねぇ、ドリーム。」

あぁ、ドリーム、最愛の弟。

ni「僕を見て?」

どうかその目で僕を看取ってくれ。

その目に、僕を焼き尽くしてくれ。

ほら、こんなにも強い力の中で僕は自我を保っていられる。凄いだろう、きっとドリームには出来やしないよ。まぁ、兄は弟より優れているからね。
僕はドリームにすら追い付けないぐらい賢くなるよ。その為には時間が必要だ。僕はドリームと違って容量が悪いから、少しの間、僕が賢くなるまで待っててよ。僕のこと忘れちゃダメだよ。僕が、自分に納得出来るようになるまでそこで待ってて。


ni「じゃ、またね、ドリーム。」

そこでずっと、僕のことだけ考えてればいいよ。

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