第170話

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2024/04/24 23:04


それから数ヶ月して賢二郎は忙しくなった





私も忙しかったり忙しくなかったり...







それでも賢二郎とは必ず連絡を取り合った




少しでも話せる時は話したし、家にいる時は近くにいた




そんな感じで私たちはお互いが必要でなくてはならない存在だった











私はコンテストで優勝まではいけなかったが賞を貰うことも出来た




バイト先の美容院で雇ってもらえることになり就職先も決まった







そして専門を卒業し、賢二郎より先に社会に出た






賢二郎は学校が忙しくて帰りが遅い日も増えた



私も仕事を始め忙しい日が増えた







それでも私たちの帰る場所は同じ場所で、布団にどっちかが先にいればこっそりと同じ布団に入りそっと抱きしめた




同棲しててよかったと思う



疲れていても大好きな賢二郎がそばにいそれだけで幸せだった



















仕事にも慣れて落ち着いた頃、久しぶりに研磨から連絡が来た




それは久しぶりに集まろうってお誘い









私はまだアシスタントだから固定客も無いし定休日と休みを上手く合わせた




賢二郎は微妙な顔をしていたけど最後にはいいよと言ってくれた








大事な仕事道具を一式持ち久しぶりの東京へと向かった











朝から宮城を出て東京駅に着くと研磨が待っててくれた





孤爪 研磨
あなた~
あなた
研磨、久しぶり!



今は昔のように抱きしめたりしない



賢二郎が1番だから私がされたら嫌なことはしない






少しは考えて行動出来るようになったかな?





あなた
研磨、髪長くない?
孤爪 研磨
長いね
あなた
後で切ってあげるよ
孤爪 研磨
前みたいにしないでよ?
あなた
賢二郎とお揃いにする?アシメ
孤爪 研磨
……遠慮しとく
あなた
ふふッ




未だに研磨は賢二郎があまり好きじゃないみたい



ストーカー疑惑があるからたまに大丈夫かと連絡をしてくる





同じ家にいるし別に束縛もされてるわけじゃないし心配しなくてもいいんだけどな なんて思った











お昼を食べ研磨の家に行き髪を切った






研磨は人と話すのが苦手だ



話しかけられる美容院も苦手だ





高校卒業後は私が切ってあげないと研磨は髪を切らなくなった





あなた
はい、出来た!
孤爪 研磨
ありがとう!
これで暫く切らなくていいや






私たちは黒尾先輩が来るのを待った



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