今日は本編の前に宣伝です。
花音さんがなんとこの小説の感想部屋を作ってくださいました!女神様ですね。
ここで自分のキャラの小ネタとか感想とか語ってくだされば嬉しいです。
それでは建造の終わりを待つ間にレッツゴー。
さすがに学生艦のみで調査と捜索をさせるわけにはいかない、ということで、アオイ達雪風には加賀がつくことになった。
また中国船につけられていないとも限らないので、短い会話で無線を切る。
なにやらわかったような口調で意味深長な発言をしたアオイを見ながら、荊棘が方眉を上げる。
上目使いの質問に、アオイの視線は北の海へ向けられた。
移籍してすぐ航空戦力として運用するために乗組員は国際海保から選りすぐりの精鋭が選ばれ、副長は艦長が元来の「ほうしょう」乗組員の中から選出する、という異例の編成で組まれた部隊だった。
後にも先にも類を見ない、最強の艦隊だった。
あの大きな火傷痕は事件での「ほうしょう」飛行甲板炎上に巻き込まれた時のものだろう。笑わなくなった、というのはあの事件でアオイの母や多くの仲間を亡くしたからか。
縮こまった荊棘に「気にしないで」と笑いかけて、アオイは双眼鏡を覗く。見張りは景人達がしっかりやってくれているが、性分的に自分で確かめないと気が済まない。
遠くも近くもない、微妙な距離に一隻の艦艇が見える。掲げている旗は舞鶴校。船体のサイズから推測される艦種は重巡洋艦だろうか。
咲希が手元のタブレットのロックを解除して、行方不明艦艇の情報を洗い出し始めたのと同じタイミングで、突如ドンカクから艦載機が発艦した。
突然の出来事に思わず無線を繋ごうとしたアオイの手を両手で押さえて荊棘が止める。また傍受されたらたまったものではない。
瑠璃歌の指示を受けた弾薬室の生徒が主砲に弾を装填する。それを見ながら、荊棘は続いて見張り台に無線を繋いだ。
荊棘に指示を受けたテレジアの通信が加賀の艦橋に上げられるまでは一分もかからなかった。打って響くような速さで澄晴から返事が返ってくる。
澄晴との通信を切って、荊棘はアオイの方を振り返った。怒られるかと思ったのだが、荊棘が挙げた手はアオイの方を励ますように叩いた。
副長の役割はここまでだ、と暗に伝えられて、アオイは自分の頬を両手でバシッ!と叩いて気合いを入れ直した。艦橋の最前に出てまっすぐ海を見据えると、隣に立った荊棘がうなずく気配がした。
駆逐艦の最大の武器はなんといっても魚雷と爆雷、そして機動力だ。主砲の火力で敵を叩くのは戦艦と重巡の役割である。
魚雷発射菅に指示を下し、アオイが次に手に取ったのは無線だった。ドンカクに繋いで努めて冷静に声を出す。
アーシアに退く気は無いようだが、アオイだってこのままドンカクを突っ走らせる気はない。
ドンカクは空母艦載機のパイロットを育成する目的も兼ねて有人戦闘機を採用している。まだ未熟な学生パイロットが重巡に突っ込んでいったら撃墜されるのは目に見えている。それはなんとしてでも避けねばならない。
しかし、アーシアの決断は違った。
アーシアの覆すことのできない意思を読み取ったアオイは、申し出の方向性を切り替えることにした。
返答までにはしばらく間があった。色好い返事を祈るアオイの気持ちが通じたのか、アーシアのため息のあと、
の一言が返ってきた。
そう言い捨てたアーシアの言葉は照れ隠しなのだろうと、付き合いが浅いなりに察しがついた。
一方、加賀から発艦したF45戦闘機は、ドンカクから発艦した航空機に無線での通信、行動中止を呼び掛けていた。
ドンカク機の斜め後ろについた加賀機の呼び掛けに、ドンカク機が応答する。
その返答にさらに加賀機が言い募ろうとした時、プリンツ・オイゲンの副砲が加賀機とドンカク機に向かって火を吹いた。両機とも慌てて左右に分かれて避ける。
加賀機の制止を振り切るようにドンカク機が急降下。搭載した爆弾をプリンツ・オイゲンの艦種目掛けて落とす。
プリンツ・オイゲンが右に回頭して避けた爆弾が上げた水しぶきが真下で跳ねるのを見ながら報告すると、澄晴の舌打ちが返ってきた。
澄晴の指示に承諾を返して、加賀一番機は後続機に合図を送ったあと、ドンカク機と同じように急降下して飛んできた主砲弾を回避した。























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。