来週はいよいよ初のドーム公演
しゃちょーはいつにも増して上機嫌だった
私たちは 5歳 になり、もうすぐ小学生になる
私の子役としての活躍も大きく、賞を貰えた
私が売れると、みんなが喜ぶ
だから私も楽しそうにする。
—————私たちは嘘吐き。
考えるより先にその場に沿った事を言う
自分でも何が本心で何が嘘なのか分からない
私たちは昔から何かを愛するのが苦手だ。
こんな嘘吐きな私は
到底アイドルなんて向いてないと思ってた___。
抹茶ラテの餌に釣られて、
声を掛けてきたおじさんについて来た
本当は、ひとりじゃ怖かったから。
でも、今言ったのも本心だから
あなたの前世の名前の身体には絆創膏や包帯が巻かれてる
悟くん家へ行ってから、また増えていた
でもお母さん、釈放されても
迎えに来てくれなかったんだぁ…
ちょっと脅かせば、
スカウトさんにお引き取り頂けると思った
人を愛した記憶も愛された記憶も無いんだ
そんな人にアイドルなんて出来ないでしょ____?
私とあなたの前世の名前の瞳に黒星が宿る
アイドルって純粋な存在なイメージがあって
嘘吐きで人嫌いの私とは真逆
到底向いてないと思った
『嘘が本当になるかもしれない』
そんな言葉を聞いて、私はアイドルになった
私は誰かを愛したい、愛する対象が欲しかった。
心の底から愛してるって言ってみたくて
そうファンに嘘を振り撒いて来た。
母親になれば、子供を愛せると思った。
…知ってたよ、私の娘が
天城あなたの生まれ変わりだって
でも私は、欲張りだから
娘であるあなたも親友のあなたの前世の名前も愛したかった
だから私は嘘を吐いた_______。
私はまだ子供達に愛してると言った事がない
もしその言葉が嘘だと気づいてしまったら…
……そう思うと怖いから。
_______その代償がいつか訪れる事になっても。
白い薔薇たちは赤く染まり、
腹部には鋭い刃が突き刺さった。
これが嘘吐きな私の大きな代償。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!