ソプラノは悲しい
夢を見た………
とても怖い夢
…皆を忘れる夢…
今日はいい天気だし
珍しく、朝から同室トリオに誘われて、マルコと釣り
沢山釣ってサッチに美味しいご飯を作って貰おー!!
「お!きた!!」
サムの竿に魚がヒットして、力いっぱい巻き出す
そしたらオータ、スプーの竿もしなり出す
「うおおおー!」
「しゃーーー!!」
あっ!!わたしもキター!!
『あああああぁ!!』
(ああぁ!やばいーー!!)
ぷるぷると釣り竿を引く
「オイ、あなた落ちるなよい」
片手でマルコが襟を引っぱる
『ごめんヤバイィィィ!代わって!』
「ハァ?自分の獲物は自分で釣り上げろ!釣り竿持ってろよぃ!」
(何時もは『代わって』なんて言わないのによい…)
違和感を覚えつつ、横から釣り竿を両手で一緒に握り引く
「オイ」
『ハイぃい』
と糸を巻く
「コイツ重いなぁ」
ぐいーッと竿を起こし糸が緩むと同時に巻きとる
ザバぁ!!っと出て来たのは小さめの海類王だー
でも今日1番デカイ!
『うわぁぁ!マルコありがとう!!』
これ刺し身で食べれるかな?お刺身食べ放題だね!
と話しながら食堂に1番近いドアまでマルコと引きずり持って行った
夜ご飯はもちろんお刺身だった
デカイモビー号型の舟盛り!!
***
夜ご飯後に少し時間をおいて、風呂の外に掃除中のフダを出しデッキブラシで掃除をしだす
今日は…
なんだか…
床にデッキブラシを放り出し転がる
目をつぶる
ソプラノで歌を歌う
「おい、サボりかよい」
目を開けるとマルコが覗きこんでた
マルコも並んで床に転がり目をつぶる
「その歌前にうたってたなぁ、どんな曲だい?」
『女性シンガーとボディガードが恋に落ちる映画の曲だよ…「いつだってあなたを愛しつづけるでしょう」みたいな…』
「良い曲だ」
『ねっ』
「『……。』」
「…今日どうしたよい?」
『…何が?』
「元気ない」
「『………。』」
マルコはなにも言わず、多分、私が、話すのを待ってる
『…記憶がないでしょ?大事な友達も、家族も、産んでくれた母親ですら覚えて無い…』
不安
『それに…どの街も、どの島でも昔の私を知っている人も、探してる人ですらいない…誰も探してない…』
寂しい
『それ以上に…もしかしたら、今大事な人達を忘れてしまうのかも…』
悲しい……
『…ごめん…変な夢を見ちゃってさ!』
「俺は絶対忘れないし、何処にいても必ず捜し出すよい」
『…絶対?』
「絶対」
『うん…うん!』
「変な心配すんなよい、後、心配してたぞ、トリオが」
だから朝から釣りかぁ…気を使わせちゃった…
何時も悲しい時も嬉しい時もマルコは一緒に居てくれる
(このままずっと変わらないといいなぁ)
(一人で不安と戦ってきたのか)











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。