ウミside
〜回想〜
あの日の朝も、いつもの様に人助けをしていた私。
例えば、おばあさんの重たい鞄を持ったり、
踏切で立ち往生している車椅子の人を助けたり、
迷い子を警察に預けたり……。
あとは、火事現場で逃げ遅れた人を助けたり、
銀行強盗を捕まえたり、ひったくりを捕まえたり、
万引きした人を捕まえたり、
人を殺そうとしていた人を止めたりしていた。
まぁ、他にも諸々あるが、それは省く。
時間がないからな。
その日のお昼頃、
休んでから人助けをしようとしていたが、
珍しくコウ君からBBQをしようと言ってきた。
せっかくだからと、友達とその親も呼んだ。
親たちが、野菜や肉を焼いている間に、
私達小学生は、川で遊んでいた。
私は足だけ川につけて遊んだ。
その横には、コウ君がいた。
私の見張りらしい。
別に見張らなくたって、
危ないことはしないのに………。(自覚無し)
その頃にはもう私の身体は、
人様には見せられないくらいに
酷いものになっていた。
私は川で遊ぶ友人達を見守っていた。
遠くから、「焼けたよ」と言う、
声が複数聞こえ、皆にも知らせた。
しかし、一人の子が、深い所に
入ってしまったらしく、溺れていた。
私は直ぐに助けに向かった。
結果、その子は助かったが、
私は水分補給をしていなかった為、
脱水症状と、熱中症になって倒れた。
目が覚めると病院にいた。
医者から「気をつけるように」注意された。
私は無事だったんだから、
別にいいでしょうと反論した。
結果が大事なんだからと、付け加えた。
しかし、少しして今までの行動を振り返った。
私は毎回のようにコウ君に
心配をかけてしまっている。
流石に今回は言いすぎたかと思った。
コウ君は、らしくもなく泣き出した。
酷い言われようだと思った。
だが、それだけコウ君に
心配かけさせてしまったと自覚した。
なるべく、人に心配かけさせないように
バレないように、人助けしようと心に誓った。
でないと、彼のように、
悲しい思いをさせてしまう。
私のこの性格は、生まれ持ってのものだ。
つまり、そういう現場があれば、
考えないし体が勝手に動いてしまう。
「どうして、危険なことをするんだ!」と
何度も言われたが、何も考えずに行動していた為、
そんなこと言われたってわからない。
だから、私はこれ以上人に心配をかけるくらいなら
影でこっそりしようと考えた。
しかし、私は小学三年で転校が決まった。
転校が決まっても、たまにコウ君とは会っていた。
しかし、中学三年の “あの事件以降” 、
ぱったりと連絡を取らなくなった。
私はその事件で、右目を失った。
この目を見たら、きっとまた、
あの日のように、悲しい思いをさせてしまう。
だから、私は連絡を取るのをやめた。
〜現在〜
今度はあなたの夢主の名前の話を聞くことになった私達。
どうしてそんな事をしたのか、気になる。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!