久瀬 真也side
リビングで酒を片手に大声を上げる幼なじみで
同居人の五月女 竜
俺は今、分け合ってこいつを養っている
あの日、新人社員としてバタバタ働いていた私は
急ぎ営業所へ向かっていた
その途中で起きた事故があなたの下の名前との衝突事故
赤信号にも関わらず彼女は走って飛出てきのだ
慌ててブレーキを踏んだが既に遅かった
そして血を流し倒れる彼女に私は駆け寄り
彼女を見た私は時間が止まったような気がした
白く綺麗な肌が赤い血に染まり
虚ろな目で空を見上げている
まだ中学生だろうか?
あまりにも綺麗な顔立ちに
映画のワンシーンかと思うほどだった
あの日以来、私は彼女の虜となっていた
妹と重ねた事は無かった
妹とは違う
もっと別の何かが私の中に生まれた
気を紛らわすため
珈琲を入れようと席を立つと家の呼び鈴が鳴る
珈琲を入れ退院祝いの渡すタイミングを考えていると
玄関の方からワチャワチャと
元気な話し声が聞こえてく部屋へと入ってくる
……まさか昨日の今日で会いに来るとは
お茶を置くと彼女の母はお辞儀する
そう言って差し出されたのはゼリーだった
その後、少し世間話をして
彼女らは帰って行った
退院したら会う回数も少し減ると思っていたが
どうやら毎日会う事に慣れ過ぎてしまったらしい
明日も会える
それだけで嬉しかった
明後日も明明後日も
君に会えるだろうか?
白く綺麗な君の無邪気な笑顔を
毎日見ていたい…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。