第4話

『 3 . 』
220
2024/06/12 15:00








あなた
ん……
 







私は再び目を覚ます







いつの間にか寝てしまっていたのだろう。










この部屋は当たり前だが、窓は無く






今が朝か夜かも分からない。









私は、昨日聞き慣れてしまった金具の音と共に体を起こす














でも何故か、体が重いように感じられたので





ふと視線を下に落とすと











雨乃
……
雨乃
あっ、おはよ〜 ! ♡ 












…………彼に抱き着かれていました。








あなた
は……離れて……!









彼は渋々と私の傍から離れると






何やら雰囲気を変え、真剣な眼差しで


私と向かい合うように座る










雨乃
あの、さ……あなた、





雨乃
ここでお留守番出来る、?











私は、この言葉を聞いた瞬間に " 嫌だ " と思った







この部屋は何も無い。






だから、彼がご飯の準備をするだけの時間でも



時間がとても長く感じ、とても耐え難いものだった









だが、そんな事を彼に言えるはずがなく




私は首を縦に振る。
















本音を言うと、ここから早く出たい。





それが1番だ







それでも、この部屋のセキュリティーは完璧と同然。




昨日過ごしてみて分かった






脱走なんて出来やしないと、私の中では殆ど諦めている








それに加え、抜け出したら彼が悲しむだろう、






ずっと一緒にいたせいか



彼の悲しむ姿は出来る限り見たくない。










彼だって人間だ。







何時かは私をここから開放してくれるだろう




そう願っていくと私は決めた。








雨乃
こさめ、学校へ行かなきゃいけないから……




雨乃
また帰ってきたらね、!










彼は私の頭を撫で、急いで部屋を出ていった







やっぱり、私は学校行けないのかな






なんて思いながら、



彼が見えなくなるまで目で追いかけ続けた


















初めのうちは、様子の違う彼から離れられるので




1人の時間は嬉しかった。








だが、その嬉しさは時間が経つにつれ




寂しさへと変わっていった。







昨日から、彼と会う度に




これまでに無い程の愛情を注ぎ込まれる日々






それを経験してしまうと、




素の自分には戻れないのかもしれない












閉じ込められてから、たったの1日しか経っていないのに







もしかしたら私は、今、急激に愛情を欲している




そんな人間に変わっていっている気がする_______。

















あなた
早く……帰って来てよっ……








N E X T .

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