私はお風呂に入り、歯を磨き終わると
後ろから、目を擦っている彼からそう言われた
私は当たり障りの無いそんな言葉を吐き、
平然を装う。
彼はそう言って洗面台へ行ってしまったので、
ソファーで座り、言われた通りに待つことにした
あっ…… そっか 、 もうあの部屋じゃないんだ…… 。
そう思いながら、彼の後ろを着いていく。
彼の部屋へ入ると同時に、そう言われ、
私は少し悩んだが
これまでの彼の行動から
拒否しても結果は変わらないと思うので
渋々と承認する。
そして " おやすみ " と、就寝前の挨拶を交わし
私は目を瞑り、眠りについた
_____________これが、彼から見た今日の私。
本当は、眠りになんかついていない。
彼の一定のリズムの吐息を聞き、
気持ちよさそうに寝ているのを確認したら
私は彼を起こさないようにベッドから起き、部屋を出た
玄関へ静かに降りると、何故か私の靴は見当たらない
でも、今はそんなもの履かなくていいよね……
私はそう思い、裸足のまま外へ出た
走り続けなくちゃっ……
彼から一旦距離を置ける所へっ……
私は必死に走り続けた。
疲れた、そんなものを頭に思い浮かべる余裕もなく
一目散に走り続けた。
気付けば、私は知らない場所へ辿り着いていた。
灯りも全然見当たらず、人通りも悪い、そんな所。
ここなら彼も分からない、そう思った矢先、
後ろから何者かに
私の肩をとてつもなく強い力で引き寄せられた。
誰だか分からない、その男性は
私の事をじっと見て
近くにあった壁に無理やり私を押し付ける。
…………いわゆる壁ドン、と言えば良いのだろうか、
N E X T .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。