第7話

『 6 . 』
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2024/06/21 15:00
















雨乃
ね 、 あなた


雨乃
足錠と手錠 、 外してみない ? 










いつもなら



彼がご飯を持ってくるような時間な気がするが、






何故か今日は珍しく、そんな話題を振り出した。









あなた
あ 、 足錠と手錠を…… ? 









彼は、そうそう、と万遍の笑みで頷く






なんでまた急に……、と問いかけたくなったが



彼の笑みの中に隠れている圧に押され



" 分かった、 " と、了承せざるを得ない状況になっていた








雨乃
んふふ 、 いい子 〜 ♡ 












彼がポケットから取り出した銀色の鍵で



足錠と手錠を器用に外すと、








体の重みが何だか無くなったかのような



解放感に包まれた









雨乃
立てる 、 ?






あなた
わっ 、 久しぶりに歩ける…… ! 











彼が差し出してくれた手に掴まり






当たり前に使っていた足も、



今では慣れない足になっていて





頑張ってバランスを取りながら、



何とか立つことが出来た
 








雨乃
じゃ 、 ご飯行こっか ! 






あなた
へ…… ? 



あなた
この部屋から出るの…… ? ! 













明るい彼の言葉に、私は思わず戸惑ってしまう






まさかこんなにも早くに



この部屋から出られるとは思ってもいなかったのだから










雨乃
だって 、 あんな何も無い部屋嫌だよね 、 ? 














あの部屋が嫌がられるの分かってたんだ……。










彼曰く、これからは 「 同棲 」 のような暮らしになるらしい









そう聞いた瞬間、私は少し自由になれた気がして



とても嬉しかった



























雨乃
はい 、 お待ちど 〜 さま っ !











彼が持ってきてくれたのは、



ハンバーグと盛合わせのサラダ、そして白米だった









食事は、リビングで毎日するらしい。







私にとってリビングは、何度か来たことがあるので



とても見慣れた雰囲気だった











私は手を丁寧に合わせ、



" いただきます " と、彼に聞こえるぐらいの声量で言った








久しぶりに自分の手で食べるご飯、



その味は美味しいはずなのに、何だか物足りなく感じた











































足錠と手錠が外れ、身動きが取れるようになった私、



そして、あの部屋からも脱出出来た。

















だったら__________


























……逃げよう、ここから。














少し離れて、またいつもみたいに話せれば



彼だって分かってくれる。







こんなやり方ではなくても、



きっと彼のしたい事は出来ると思う。






































N E X T .









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