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第1話

― 第1話「春、きみと出会う」 ―
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2026/03/01 01:40 更新
春は、どうしてこんなに残酷なんだろう。
ひらひらと舞う桜の花びらを見上げながら、私は思う。
出会いの季節。始まりの季節。
そして――恋が、動き出す季節。
はると
はると
「今日から2年A組ね。よろしく」
そう言って微笑んだのは、誰にでも優しいと噂の はると。
その隣で無表情のまま窓の外を見ているのは、クールで近寄りがたい みなと。
ゆいと
ゆいと
「ねえねえ、席替え神じゃない?」
そして、少し離れた場所で静かに本を閉じる、写真部の れん。
――この4人と、同じクラスになった。
ただそれだけ。
本当は、それだけのはずだった。
「ねぇ、屋上ってさ、春になると桜すごいらしいよ?」
放課後。何気ない一言。
何気ない誘い。
でも、あの時屋上に行かなければ、
きっと私は知らなかった。
優しさの裏に隠れた想いも。
強がりの奥にある本音も。
笑顔の裏の嫉妬も。
静かな視線の意味も。
そして――
「お前、無理してるだろ」
不意にかけられたその言葉に、
心が大きく揺れたことも。
春は、残酷だ。
だって、選ばなきゃいけない。
“友達”のままでいるのか。
それとも――“好き”を選ぶのか。
桜が散る前に、
この想いはどこへ向かう?

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