剣を弾かれた勢いで僕の軽い体は
いとも容易く吹き飛ばされる
受身をとれず強く脇腹と頭を
がつんと打ち付け
痛みと衝撃で呼吸が苦しくなる
鈍痛がはしる後頭部に手をまわすと
ぬるりと生暖かいものが手についた
あぁ..僕を吹き飛ばした " ソレ " は
僕を迎えに来た美しい死神なのだ
貴方が本当に死神と言うのなら
このまま優しく僕を安寧の地まで運んでほしい
この苦しすぎる辛く厳しい地から
僕には耐え難い美しい世界から
遠く遠くの場所へ僕を導いてください .
消えかかる意識の中切望した
体に妙なむず痒さを感じ目を覚ますと
そこは鮮やかさに満ちた世界
僕の胸をきらきらとしたものが通り抜け
僕は宙へ舞い上がる高く高く
僕が望めばどこまでも
あの森林で出会った
" ソレ " はやっぱり僕の死神だったんだ !!
だってここはあの世界のどこよりも
暖かく 優しくて 、
乾ききった泉から水が湧き出すように
ふつふつと僕の眼から涙があふれる
座り込み一人すすり泣いていると
ぐらぐらと僕の視界が横揺れし始め
きらきらの世界が霞がかる
行かないでと手を伸ばすも
それが叶うはずもなく
視界から差し込むグリーンの光に
僕は長い溜息を吐いた
やっぱり僕は生きていたみたいだ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!