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第1話

№1
36
2023/04/20 14:15 更新


今日も澄んだ空気に満ちた世界


柔らかな朝日が僕を照らす




ぐるるとお腹が鳴った




最近何も食べていないからか


少し体が重く感じる


何か口にしなくてはいけないのはわかっているが


今手にあるのはボロボロの短剣のみ


とてもじゃないけど売れそうにない


それに森林に迷い込んでどれ位の


時間が過ぎたのだろう 。


のろのろと体を起こし川辺の水を


すくって飲み干す


水面に写る僕は酷くみっともない顔をしている


使い古した布切れのようなボロボロの手足


鬱蒼と伸びた前髪

病人のような青白い肌


化物みたいだなんて思いながら川辺から


脚を引きずりつつ木陰まで歩いている時


どこかからパキパキと小枝を踏む音が聞こえ


僕は短剣を握りしめ身構えた

震える手足に喝を入れ音のする方に視線を向け

じっと息を殺す






来た !! 草木から何かが飛び出して来て

" それ " に僕は剣を振り下ろす

刹那。金属同士の激しく甲高い音が

周囲に響き渡り僕の剣は遠くへと弾かれた



ジンジンとした感触が指先から腕

頭を通って思考を鈍らせる



僕が剣を振り下ろした " ソレ " は

魔物でも獣でもなく " 人 " だった


厳密に言うならハイリア人


そして " ソレ " は美しかった


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