今日も澄んだ空気に満ちた世界
柔らかな朝日が僕を照らす
ぐるるとお腹が鳴った
最近何も食べていないからか
少し体が重く感じる
何か口にしなくてはいけないのはわかっているが
今手にあるのはボロボロの短剣のみ
とてもじゃないけど売れそうにない
それに森林に迷い込んでどれ位の
時間が過ぎたのだろう 。
のろのろと体を起こし川辺の水を
すくって飲み干す
水面に写る僕は酷くみっともない顔をしている
使い古した布切れのようなボロボロの手足
鬱蒼と伸びた前髪
病人のような青白い肌
化物みたいだなんて思いながら川辺から
脚を引きずりつつ木陰まで歩いている時
どこかからパキパキと小枝を踏む音が聞こえ
僕は短剣を握りしめ身構えた
震える手足に喝を入れ音のする方に視線を向け
じっと息を殺す
来た !! 草木から何かが飛び出して来て
" それ " に僕は剣を振り下ろす
刹那。金属同士の激しく甲高い音が
周囲に響き渡り僕の剣は遠くへと弾かれた
ジンジンとした感触が指先から腕
頭を通って思考を鈍らせる
僕が剣を振り下ろした " ソレ " は
魔物でも獣でもなく " 人 " だった
厳密に言うならハイリア人
そして " ソレ " は美しかった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。