目の前で繰り広げられる話
あなたは、僕のことが居ないかのように振る舞う。
昨日のキスは何だったの?
やっと前に進めたと思ったのに、凄く心の距離が遠くなったような…そんな気持ちだった。
火曜日の20時
この日の予定を後で確認してやる。
ヒョンは自分の携帯を持ちながら言った。
昨日は、あなたしか知らなかったはずの番号を、今ではヒョンもあなたの番号を知っているということになる。
僕との距離は遠くなるのに、ヒョンとはどんどん仲良くなるあなた。
僕はあなたが好きなんだよ?
キスだってしたじゃん。
本当に…鈍感すぎて泣きたくなる。
片付けをしながらあなたはそう言った。
ジニヒョンとマネヒョンはいなくなり…
2人もいなくなる。
片付けをしているあなたは、僕たちが2人きりになったことに気がついていないよう。
何も知らずに片付けをしているあなた横に…
僕はそっと座ってみた。
キョロキョロと辺りを見渡し、僕ら2人だということに気がついたあなたは少し慌てたよう。
あなたの髪にそっと触れる。
長い髪からは、ほんのりとヘアオイルの香りがして僕の心をドキドキとたかぶらせる。
まだ時刻は15時過ぎ。
仕事が終わるのには早い。
なかなかこちらを見てくれないあなたの頬は、赤く染まっている。
恥ずかしくて、何となくあなたから視線を外してしまった。
だからその時、あなたの瞳が揺れたことに…
僕は気が付けなかったんだ。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。