第78話

河野純喜side
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2025/01/17 15:00 更新
蓮くんはあっという間に回復していった。


四人で海に行ってから1週間で退院して、食事もある程度までは摂れるようになってきた。


まだ笑うことまではあんましないらしいんだけど、奨くんとゆっくり普通の生活を目指してるって。


普通って、こんなに難しくて幸せなことなんやって、ほんまに実感した。


今までより幸せな蓮くんの待ち時間やったけど、瑠姫の風邪は変に拗らせて咳だけが残ってる。


咳止まらないんじゃ仕事もできないから、瑠姫も体調不良ってことで今はお休み中。


瑠姫には申し訳ないけど、みんなで話す絶好のチャンスやった。
河野純喜
俺が瑠姫のこと不安にさせたわけやけど……、許して
川西拓実
終わった話繰り返すのはなし!
佐藤景瑚
もう怒ってないし!
大平祥生
え、景瑚くん怒ってたんですか?笑
木全翔也
えぇ〜心狭〜い笑
金城碧海
また喧嘩んなるで笑
鶴房汐恩
ここまで来たら喧嘩も気にせんで笑
豆原一成
もはや仲良い証拠ですよ!笑
みんなの中にも笑顔が増えた。


これで本当に、元に戻っていくんやろうな。


もう無理って思っても、誰かが諦めても、全員が諦めない限り、俺らの道は続いていく。


みんなと話したいって、蓮くんから連絡があった。


瑠姫の体調も考えて、もうちょっと落ち着いたら話そうってことにした。


いつかほんまに、JO1にも戻るんやろうな。


そしたら、また蓮くんの笑い声聞けんのかな。
オフの日の夜、風呂上がったら、蓮くんから電話があった。


もう奨くんとの半同棲はやめたらしいで笑


俺とする?って聞いたらガチの方で断られた笑


そんなうるさないって笑
河野純喜
〈はーいもしもーし〉
川尻蓮
〈仕事おつかれ……って、今日純喜オフか笑ちょっと今から部屋行ってもいい?〉
河野純喜
〈……いいっすけど、俺行きますよ〉
河野純喜
〈蓮くん慣れたとこの方がええやろうし〉
川尻蓮
〈じゃあ、来てもらっちゃおっかな〉
普通話してる蓮くんを信じられなかった。


こんな普通になれるまで回復したんやって。


ドライヤー……あっちで借りよ笑


蓮くんなら許してくれるやろ笑


スマホ鍵だけ持って蓮くんの部屋に行く。


久しぶりに入った部屋はだいぶ整っていた。
川尻蓮
わざわざありがとね〜
優しい口調は、前の蓮くんそのまんま。


頑張ったんやろなぁ。
河野純喜
あ、ドライヤー借りていいっすか?
川尻蓮
もぉ、なんでしてこないんよ笑
河野純喜
いや、早よ会いたいんちゃうかなーって笑
川尻蓮
それくらい待つよ笑
川尻蓮
ま、純喜のうるさい声掻き消せるから貸してあげる笑
確かに、乾かしながら話す……にはちょっとドライヤーの音がうるさいか笑


さっさと乾かしちゃおーっと。
川尻蓮
話したいことあるけん、急に呼んだ
川尻蓮
オフの日にごめんね
河野純喜
別に明日早いとかないし、いいっすよ
河野純喜
蓮くんは今は頑張る時期なんやし
川尻蓮
うん……ありがと
前向きな気持ちになれたのは、何度も死のうと思ったからかもしれない。


本気で頑張ってて壁にぶつかったから、死にたくなったんやろうけど。


結局あれは瑠姫のファインプレーやったなー……なんて笑


ほんまに蓮くんが飛び込んだら二人に死なれるとこやったから内心めちゃくちゃ焦ったけど笑


奨くんも瑠姫もさすがって感じよな。


俺にはやっぱレベル高すぎるかもしれん笑


ほんまはあかんねんけど、めんどくさくて8割くらい乾いたらあとは自然乾燥に委ねることにした。
川尻蓮
あれーJAMちゃんに怒られちゃうよー
いつもの蓮くんの口調で注意される。


なんだか温かい気持ちになる。
川尻蓮
やってあげる笑
蓮くんの細いけど優しい手が俺の髪撫でる。


しばらくこんなに近づくことなかったから、これだけで泣きそうになった。
川尻蓮
なに涙目になってんの笑
いつものような笑顔。


当たり前に見てきた蓮くんの笑顔やけど、ほんまは大事なもんやったんやな。


蓮くんに限らず、いつかみんな当たり前に笑えないくらい苦しいときがくる。


でも、みんなで支えるから。
川尻蓮
え、ちょ、そんな泣く?笑
いつもの笑顔で俺はボロ泣き。


ドライヤーを止めた蓮くんの指が涙を拭ってくれた。


蓮くんが、生きてる。


蓮くんが、笑ってる。



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