第53話

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2025/08/04 00:54 更新





昨晩、
あなたが寝落ちた場に居合わせた俺は
諸々の世話を終えた後、
自室に戻る事にした





しかし、甘い現実は待っていない
fw
…かぎ、開けれんやん
どこからかひんやりした空気を感じで
肩を竦ませながら呟く
先に風呂を出た明那は、恐らくもう自室だろう
かといってこのリビングで過ごすのはなんだか癪で
試しに、厚い扉にノックを仕掛けた






こつこつと音が鳴る
果たして向こう側に届いているのかも疑わしい音
しかし暫く後に、目の前の扉の向こうから
重い扉が開く音が響いているのに気がついた



数分後、
あれ以降反応のない扉に背を預けて髪を弄って待機
その状況に、変化は訪れる





軽い音が聞こえた
それは背後の扉からだった






─向こう側で、だれかが扉のロックを解除した音







何故か俺は、冷静だった
俺の思考が、止まったから
次に、一つの疑問が出てきて
混乱が見え隠れする
それに俺は、気が付かない





だから、知らない内に脈が上がっていくのも
背中が冷たく感じるのも
何処かに隠れなければと緊張感を鳥肌にする身体も
全部、気の所為だ










背中から小さく伝わる振動が
向こうに人がいると伝えてくる










fw
、あけるか…
その呟きは、思ったより掠れていた



扉の正面に立って
恐る恐る、ドア掟に手をかける
記憶が正しければ押戸なはずなので
ぐっと前に押し込む
重そうな扉は、呆気にとられるほど簡単に開いた
正確には、

向こうが扉を引いたと同時に俺が押したのだろう










紫がかったサラサラな髪が、少し雫を垂らしながら
視界の端で、場違いなほどにきれいに揺れていた

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