あれ
こさめ、何してるんだっけ
頭に響く誰かの声
聞き覚えのあるような、けれど初めて聞くような
その声が自分の喉から出ていることに気がつくのに
そう時間は掛からなかった
身体が先に行く感覚
頭では理解できなくても、身体が覚えてる
微かに口角を上げた“自分”は
そのまま地面に向かって急降下する
辺り一面に彼岸花の如く鮮やかな花火を撒きながら
手に持った傘で餓鬼を次々斬り倒していく
いつの間にか固く瞑っていた目を開く
見慣れない服
身に覚えのない傘
そして、
ポケットに入れていたはずの鬼の面は
自分の頭にくっついていた
なんか足元がスースーするn…………
ひゅうううううう(自由落下音)
騒いでも何も解決せぇへんのは分かってんねん!!
誰か助けろ!!!
誰でもええわこの際!!
おいそこの鬼!のびてないで助けろ!!
てか死んでる!?何で!?
こさめ空とか飛んだことないんですけど?
この高さから飛び降りたことないんですけどぉ!?(
地面に大の字になって転がるこさめをお面越しに覗き込む狐野郎に
目一杯の不快感を滲ませた顰め面をお見舞いする
あの高さから落ちたのに、身体には傷一つない
顔の横にはほんの少しだけ傷が入ったお面が転がっていて
そのついでに服も元に戻って、傘も消えていた
どう、って言われても
こさめ自身は何もしてないし
知らない間に空を飛べるようになってて
服もお面も傘も、身につけてるものが何もかも変化してて
勝手に身体が動いて
何もしてないはずなのに、餓鬼を倒していった
次回 ❤️13












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。